中国 > 税務
中国の会計年度と"予定納税"と言う概念
更新日:2014年07月18日
中国進出する企業(及び駐在員)にとって、事前に確り理解して置かなければならない事は、その『会計年度』と『予定納税制度』です。
言うまでもない事ですが、日本では企業の会計年度と言うのは自由に設定出来ます。例えば会計年度スタートを7月1日と決めれば、その翌年の6月30日と言うのがその会社の"年度末"になりますね。
これは香港でも同様のルールですので2カ国間(日本ー香港間)の調整は非常に楽に行えます。
ところがこれが中国になると事情がかなり変わって参ります。
何故ならこの会計年度を企業側が勝手に決める事は許されず、その代わり政府が決めた期間(1月1日から12月31日まで)に従うことが強制されているからです。
これだけならば(成る程...)と言う程度で終わってしまいますが、実はもうひとつ、注意をしなくてはならないものがあります。
それが『予定納税』と言う制度。
この『予定納税』とは、元々は内資(=国内)企業にのみ適用されていた制度でした(旧企業所得税法)。申告の頻度は実に毎月(!)と言う強烈なもので、翌月の15日までに当月の分の月次決算書を作成し、税務局に申告を行わなくてはならないと言うものなのです。ゆえに、内資企業の経理に掛かるプレッシャーは甚大そのものでありました。
ところが2008年から施行された新企業所得税法で(こうした内資企業からの不満を汲み取ったのか?)、とうとう外資企業にもその制度が派生することになり、今ではあらゆる企業にとって大きな業務負担のひとつになっ来ております。
上記に加えてこの制度の問題点は、こうした時間的な圧力だけでなく、一旦税務局にデータを申告する事になってしまうがゆえ、あとになって数字の修正・調整を行う事がとても困難になってしまうと言う危険な要素も孕んでしまうことなのです
実際、この対処法を間違ってしまうと税務局から必要以上に目を付けられ、場合によっては大きなペナルティー(=罰金)を被る可能性が大きくなります。
こうした制度、特に税務に絡む制度に関して軽視は禁物。
事実として在中企業(&財務担当者)を今でも悩ます大きな要素であり、それは消えそうにもありません。