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"追徴課税"と言う打ち出の小槌
更新日:2014年12月10日
本日のニュースで、住宅建材大手トステムの創業者(2011年死去)の長女が東京国税局から巨額の相続税申告漏れを指摘され、追徴課税として約60億円の支払を命じられると言うものがありました。
その金額の大きさにはビックリですが、本件はそれ(金額)だけにスポットライトを浴びせてしまうと、この決定に至る"不自然さ"を見逃してしまう事になります。
実際、その経緯詳細を読んで行くと、税務対策を行っていく中での『評価額』が焦点となっており、その結果、この方は国税局からの指摘を受け入れる形(60億円追徴)で本件は決着する模様ですが、日本国内で財産を持つことは本当に大変な事なのだと言う事をまざまざと見せ付けられたようなケースとなったと言えます。
世論は"税金は富裕層から取れば良い"などと言う、突き放した論調が多い印象がしますが、この創業者の長女の方が行った事と言うのは、国が制定する相続税法に則った評価額の基準(時価がわからない株式や土地は財産評価基本通達に基づき、類似する上場企業の株価などから算出するという方法)を使って算出した相続財産の評価額であった事を忘れてはなりません。
つまり、ルールに則った申告額だった訳です。
そしてその計算の結果出て来た申告額と言うのが、創業者が3年前に得た株式売却益(220億)から85億と言う"過小額"になっていたが故、これを当局が「著しく不適当」と解釈し、今回のケースを"申告漏れ"と断罪する形になった。
「著しく不適当」
公平に見た時、これは一体どちらのことを言うのでしょうか?