財務省によると、今年の6月までの一年間で金密輸の発覚件数がそれまで最高を記録していた平成21事務年度(21年7月~22年6月)の25件の7倍強である177件を記録したとの事です。またそれによる脱税額も2億679万円となり、件数のみならず、その金額までも過去最高を記録してしまいました。
では何故、今頃この金の密輸が爆発的に増えたのでしょうか?
それは日本に特化した事情が背景としてあるからです。それは今年の4月に上がった消費税との絡みとなります。消費税がそれまでの5%から8%へと上がり、これによって国内に於ける金の闇取引件数と金額の増大を誘発する結果となってしまいました。
何故なら消費税とは、"(購入する側が)負担する税金"との性質がある為、仮に日本で貴金属店相手に金を売った場合はこの消費税8%分を金の値段に上乗せした金額で買い取られる事になります。つまり、この8%と言う金額がそのまま販売者側の利益へとつながる訳で、これに目をつけた者が(香港などから)大量に金の密輸を行うと言う犯行に踏み切ったと言う訳です。
また金の価格もこの10年間で約3倍に急騰していると言う事実もこうした動きに拍車を駆けたということもあるようですね。
さて、では実際の密輸の方法としては、航空機を使用したパターンが殆どとの事なのですが、そうして運ぶ手法は様々。単純なやり方としては、大量のポケットがあるベストやパソコンのバッテリー差込口に忍ばせるものから、より手の込んだ手法としてはシリコン製パッドを利用して妊婦を装い、その中に金塊を入れたりするものなどがあります。また極端な方法では捜査側も躊躇するような方法(密輸者自身の肛門など体内に入れるケース)などもあったとの事です。
消費増税はまだ第一段階が終わったばかり。
今後更に増税(8%⇒10%)となる時は、一体どんな状況となってしまうのでしょうか?