国税当局には実際に税務調査に入る際の手順と言うものが存在しています。それは「準備調査」と言われているものなのですが、以下のような3段階のステップを踏んで行きます。
①机上調査
国税局は独自のシステムとして局内に"KSK"なるものを導入しています。このシステムは、"KOKUZEI SOUGOU KANRI"の略称であり、地域や税目を超えて情報を一元管理するコンピューターシステムの事を言います。この中の情報と言うのは毎年の税務申告書の内容だけでは納まらず、調査官が足で歩いて稼いだ情報なども詳細に渡ってインプットされており、これを入念にチェックしていくところから全ての調査はスタートします。
②外観調査
これは文字通り、調査対象となる会社の様子を外から見て、不正を働いているかどうかの判断を行なう事を言います。例えば経営者が毎日通勤などで使用するであろうルートを辿る事で、道中にある金融機関の把握をし決算書と照らし合わせる事で有ったり、また前回の調査で取引先などとして上がっていない会社を発見すると、その会社の社名やコンタクト先をメモして簿外取引の相手の可能性があるかどうかを確認するなども含まれています。
③内偵調査
会社を外からだけでなく、実際に客を装うなどして店などの中に入ったりし、その実態を把握するために調査を行なう事を言います。これは特に飲食業や宝飾など店舗展開を行う企業に対して有効な手段とされています。