グローバル経済となった現代のビジネスシーンでは様々な会社が様々な国へ進出を行います。日本で『外資系』と言われる会社では本国からの駐在者達が現地従業員である層とは違う"フリンジ・ベネフィット"を享受しているのが通常です。仮にこうした駐在者達のベネフィットのひとつである住居補助があったとした場合、それを『社宅』として扱うようにするケースとそうでないケースとでは、どのような税務上の違いが発生するのでしょうか?
税務上、『社宅』として居住する家が扱われる為には先ず契約者である法人所有のものであるか、或いは法人自らが契約者となって他者から賃貸されるような物件に限られます。
そもそも『社宅』と言う概念は、使用者(法人)から従業員(役員や社員)に対して使用者の業務上の必要に基づき貸与されることを前提としており、それをクリアして初めて貸与する事が出来るとなっています。
従って(会社から住居の選択権を預けられているなどを理由として)派遣をされた社員が勝手に物件を個人として選択し、また個人として直接契約などを行ったりすると、仮にその住居の家賃負担を会社が行なったとしても税務上は『社宅』の範疇に入らないことになり、会社は優遇措置を受けることができなくなります。
またこうして家賃負担を受けてしまった社員はその家賃分の所得を(会社から)得たと言う取扱いになってしまうので課税額が跳ね上がる可能性がありますので事前に契約形態を慎重に見ておく必要があるでしょう。