国税組織(国税庁、国税局、税務署)の事務年度は毎年7月1日から翌年の6月末であることは既にお話しました。よって6月も"中旬"になって来ますと"追い込み"が掛かるのと同時に月末までに(押し込めない)と判断する案件に関しては翌事務年度に繰越しをする動きも出て参ります。
事実、"下旬"に入りますと余程の緊急性や重要性を持つケース以外には、基本的に税務担当者は"新規の調査には着手しない"とも言われています。
余談ですが、こうした流れは7月中旬まで引き摺るのが通例である為、税理士の中には7月初旬に長期休暇を取られる方々も決して少なくありません。
また国税組織内での異動がこの時期に大きく起こるので、新事務年度となって以降は担当者そのものが変更になったりする事もあります。納税者はこうした"新任者"から"再度"調査案件に対して説明を求められる事などもありますので、この点には留意して置くべきでしょう。
他方、税務相談を持ち掛ける場合はこの時期だけは避けた方が良いかも知れません。何故ならば、人事異動と言うのはどこの会社や団体に所属している方々と同様、国税職員にとっても大きな関心事のひとつであり、敢え無く"希望先"に異動できない場合は心象が良くない状態である方が居たり、年初である為、様々な行事や年度計画書作成などと言ったイベントや雑務(?)に忙殺されるパターンが多いからです。
このような事から納税者が持ち込む相談に対して時間と質共、十分な対応が出来ない事もあります。