香港やシンガポールと言ったオフショア地域・国には日本から移住をして来られた富裕層の方々が相当数いらっしゃいます。こうした方々の総資産額と言うのは、一般の日本人の方々が保有するとされている平均の資産額の何百倍、或いは何千倍以上とされるケースもあり、その保全や防衛の為には確りとしたプランニングが不可欠である事は言うまでもありません。
また、昨今ではOECD(経済協力機構)が進めるCRS(自動的情報交換制度=諸外国で開いた口座保有者の情報交換)の導入もあり、こうした『資産防衛策』の手段と言うのはこのような当局が敷いた課税制度の路線を真正面から見据えた上での対応策が主流となって参りました。
そんな中でこうした資産家たちの資産を預かり運用する立場であるプライベートバンカー(以下:PB)はどのような提案を行うものなのでしょうか?
多数あるプランの中でも特に資産家の『相続対策』に有効とされ、頻繁に使用されているのがプレミアムファイナンスを利用した生命保険購入です。
これは、簡単に言うと、加入する生命保険証券を『担保』とし、その保険購入に必要とされる保険料をPBが加入者(資産家)に代わって先ずは全額支払う(つまり加入者に"全額融資"を実行する)と言うものです。
但し、生命保険証券の現在価値と言うのは保険目的の終了時である『死亡保険金』や『満期保険金』の他に『解約返戻金』("キャッシュバリュー"とも言います)よって時価評価されると云う一面があります。このキャッシュバリューは保険証券の時価を表し、中途解約が発生した際に契約者に払い戻されるものです。
但しその返戻額の初期段階では保険会社のコストや仲介者(代理店)への手数料支払いと言った諸々の経費に充当されてしまうと言う点がある為、一定期間を経ないことには中々投入した保険料以上の戻りが期待出来ません。
そこでPBは資産家の自己資金の一部を債券などの手堅い金融商品の購入に宛てることで(ローンで必要とする)担保価値を補い、同時に購入した債券の利息収入を利用してローン支払を補って行くと言う仕組みです。
そしてこれを手配すると以下のようなメリットが実現出来ることになります。
① 資産家...自分自身の現金を債券に変更するだけで超高額な生命保険商品に加入する事が可能となり、理想的な資産防衛策が実現出来る。しかも保険料は債券の利回りが支払って行くと言うものなので自己資金が目減りして行く可能性を低減できる。
② 資産家の遺族...巨額な相続資産に掛かる税額を死亡保険金や満期保険金と言った流動資産で補うことが可能となり、次世代へ資産継承がスムーズに行える。
③ サービス提供者(PB)... 最初に融資した保険料回収が資産家の死亡や保険期間の満期を迎える時に一気に融資額を回収することが出来る。
④ 保険会社...巨額の保険料収入を期待でき、それらを利用して運用益を確保する期間が長くなる。
以上がプレミアムファイナンスの典型事例。
お客様の中でご興味がある方がいらっしゃるようでございましたら是非とも弊社にご相談頂ければこうした資産防衛のご提案も可能です。