海外駐在をされる方にとって保険の存在は非常に重要です。何故なら赴任先の国の医療技術の程度やそこで掛かる治療費用などは実際のところ国内の基準などから相当"掛け離れている"と言うケースが多々ありますし、そんな時に経済的な負担面において力強い味方となるのがこの海外旅行保険を代表とする保険商品です。
しかしながら、こちらを乱用してしまったりすると結果的に翌年度の保険更改の際に(損害率の側面から)保険料負担が重くなるなどの"弊害"が出て来るのは否めません。
そんな時にこの海外旅行保険を"補完"する役割として使用できるのが、国内の「健康保険」です。この保険がカバーする範囲は海外での治療費などの一部についても適用されますのでこちらと上記の海外旅行保険を併用したりするのも有効な利用法ではないでしょうか。
但し、実際にそれを使用の際には幾つかの項目を理解して置く必要があります。先ず最初にチェックして置くことは実際に医療費として掛かるお金を一旦、駐在員本人が立替えなくてはならないと言う点があります。そして療養を受けた病院から「診療内容明細書」と「領収明細書」を受け取り、これらに和訳をつけた上で健康保険組合に提出しなくてはなりません。
また療養内容は審査の対象となりますので全額還付を約束されるものではない事、更に還付金支給までの時間も通常の海外旅行保険と比較してもかなり"長め"となってしまうと言う事も事前に想定して置くべき部分です。
しかしながらその反面、健康保険の利点は(海外旅行保険では補償対象外とされる)歯科治療が補償適用範囲に入っていたりしますので、通常「高額治療」と位置付けられるこの手の治療費を自己負担する必要がないのは使用者にとってはとても有難いものではあります。
以上、こうした様々な点を上手く使い分けて行くことで異国での不安要素を軽減して行くのは重要な駐在者の『心構え』と言えるかも知れません。