支店として進出する企業数は実のところ、数としては余り多く有りません。
事実として香港や中国への進出の殆どのケースは現地法人の設立で占められていると言っても過言ではありませんし、現地当局に対する支店進出の理由付けと言う部分も中々骨の折れる作業です。
支店は駐在員事務所などと違い、現地での営業活動が認めれらている進出形態のひとつです。日本の税法上ではこの支店形態の進出は所謂「恒久的施設」に該当するのでその国(例:香港)で獲得した利益に対しては当然(源泉の概念から)納税義務が発生します。
また実務的な部分となる税務申告に際しては原則的に「その国で獲得した利益」をどう計算するかが現地国での最大のテーマとなります。通常支店は独立した会計単位として独自に貸借対照表や損益計算書を作成しますが、その形態の性格上本社との社内取引も多い為、利益の任意に付け替える事も出来なくはありません。
その為、国際税務の現場では「その国で獲得した利益」の計算には一定のルール、"独立企業原則"と言うものが採用される事になります。
香港のように日本にとって租税条約地域であれば、このルールは当て嵌まる事になるので現地側ではその企業に対して(仮に支店形態での進出であっても)、"独立した一企業"として仮定して利益金額の算出を要求される事を押さえて置く必要があります。但し課税自体は日本と香港の両サイドで行われる訳ではなく、日本本社側は二重課税の回避の為に外国税額控除を行うことで海外支店での現地課税分を差し引く手続を行います。