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やはり日本は魅力薄?海外高度技能者が見るアジアマーケットとその未来

更新日:2017年11月30日

昨今では街のファーストフード店舗などでも日本語を流暢に操る外国人の店員を東京などの大都市で見掛ける機会が多くなりました。また、日本を訪れる外国人の数も一時の数から3倍以上にまで(今年は2000万人強)膨れ上がり、来たるべくオリンピックなどの世界的なイベントの為の準備が着々と整っているかのように見えます。ところがスイスのビジネススクールであるIMDが発表したリサーチの結果によると、まだまだ日本は外国人、特に高度な技能者などにとって"魅力薄"のようです。


今回のリサーチの元情報となったWorld Talent Ranking2017と言うものは、その評価基準を様々な視点から比較を行い、その結果を毎年のように発表するものですが、ではその比較のポイントと言うものは一体どう言うものなのでしょうか?

例えばですが、「投資と育成」と言う評価軸の中にはその項目として以下のようなものがあります。
・教育に対する公共資金(総額)
・生徒と教師の比率(初等教育〜初等教育の後)
・社員教育
・女性の労働力
・保険インフラ


また「魅力」と言うテーマでの比較事項は①生活費、②人材の引き入れと維持、③サービス業における報酬、④所得税率、⑤個人保証と私有財産権、⑥頭脳流出、⑦生活の質、⑧海外の高度技術者などがあります。
こうした様々なテーマにおいて、日本はランキング全体では31位となるのですが、実際の実務的な評価が集まる「準備性」と言うテーマでは下位(48位)に位置してしまい、中でも言語力に於いては59位と言う衝撃的とも言える結果となっています。

結局、今回のBloombergの記事の中では海外の高度技術者から見る「日本」と言う国は、(従来から言われている)言葉の障壁と厳格なビジネス慣行が問題であるとの事で、今後こうした事を是正出来ない場合、日本の国際競争力は益々"劣化の一途を辿るだろう"と結んでいます。この点、香港やシンガポールは日本の弱点である言葉と厳格なビジネス慣習は存在せず(注:シンガポールのルールは厳格ですが)、それが故に高評価に繋がったと言えるでしょう。


ただしそうは言っても日本は悪い点ばかりではありません。

統計的には1)基礎学力の高さ、またそれを仕事に転化しサポートを行う2)体制、と言った点では他国と比較しても整っており、こうした点を更に強化しつつも上記の"弱点"を如何に補って行くのかが今後の国力増強の源泉要素(焦点)となる筈です。

今後、人材が対応しなくてはならない事象は物凄い勢いで増えて行くことは間違いなく、"人を大切にする"と評される日本社会が如何なるステップを踏むのか?と言うことに関心を払って行くことは肝要です。

こうした評価軸は、単なる"題材提供"だけの見方にのみ偏ってしまう節はありますが、こうしたことに真剣に対処して来たのが香港やシンガポールであった事を鑑みますと、日本にそれが出来ない理由はありません。


さあ、統計を超えた日本の未来、果たしてどうなって行くことでしょうか?

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