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香港法人に義務付けられる"重要管理人登録<SCR>の施行
更新日:2018年02月19日
2018年3月1日から施行される新しいルールが香港で設立した(する)会社に設けられることになりました。その名はSignificant Controllers Registerと言われるもので、通称SCR、和訳の場合は(厳密に言うとまだ適切なものが授けられていませんが)、"重要管理人登録"と言うものです。
このルールの骨子と言うものは、国際金融センターとして名を馳せる香港が、その地で設立を許可した(する)会社=香港現地法人の運営上の"透明性確保"を目的としており会社法(Cap.622章)に修正を加えたものです。
実務的にはどのような事になるのかと言うと、法的強制権を持つ政府事務官から、その会社の実質的な所有者の情報に関する調査に対応する者の任命を香港会社は必ず用意しなくてはならないと言うものです。
以下はこの重要管理人登録に置ける諸条件を質問形式で列挙しましたので、該当する法人及び実質的な会社オーナーの皆様は是非ともご一読下さい。
Q1.どのような会社がこのSCRを設定する必要があるのか?
A1.旧会社法、及び新会社法下で設立を行った香港法人が対象となります(しかしながら、上場会社は除きます)。
Q2.このSCRに任命される者は誰になるのでしょうか?
A2.登録可能な自然人、或いは登録可能な実体(法人等)。またその者は香港法人の株主であり香港会社運営上重要な影響を有する者です。更に自然人においては以下の条件に1つ或いはそれ以上の項目に合致する者も含まれることとしています。
1)該当する会社の25%以上の株式を直接的或いは間接的に所有している者か、(株式資本を持たない会社の場合)直接的或いは間接的に該当する会社の利益の25%以上を所有する権利を持っている者
2)該当する会社の25%以上の議決権を直接的或いは間接的に所有している者
3)該当する会社の取締役会過半数の任命権或いは削除権を直接的或いは間接的に所有する者
4)該当する会社に対して重大な影響或いはコントロール権を執行する権利を有している者
5)法人格を有さない信託や事務所の活動(しかしながら上記1)〜4)の何れかを満たす)に対して重大な影響或いはコントロール権を有する者
Q3.このSCRの登録内容は具体的にどのようなものなのでしょうか?
A3.登録内容は以下の通りとなります。
1.その者の名前と以下の項目
自然人の場合:連絡可能な住所、身分証明書番号或いはパスポート
法人の場合:会社登記番号、商業登録証番号、また法人設立場所と登録所在地
2.重要管理人になった日付
3.該当会社に対する役割
また、会社は少なくともこのSCRに関して補助の役目を果たす者を少なくとも1名は任命する必要です。この者はその現地法人の株主か、役員、またそこで雇われ香港に在住している従業員か、または会計士、弁護士、更にはビジネスの委託が可能な者、サービスプロバイダーの何れかでなくてはなりません。