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香港法人・オフショア法人設立お役立ち情報

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海外現地法人とは違う、海外支店設立について

更新日:2018年04月11日

海外進出のステップは会社の規模や商流などによってやはり違って来るのは確かです。手堅いところで行くと、まず駐在員事務所形式からスタートし、その後、支店か現地法人かの何れかに発展させて行くのが通常ですが、本格的な海外進出するとの決定をした際の選択肢として挙げられる方法は支店形態によるものがあります。


先ず、海外支店と言うのは駐在員事務所と同じ様に日本国内の企業の一部であると言う認識を常に持つことが肝要です。つまり支店は現地で実際に営業活動を行うものの、現地法人のように独立した法人格は一切持たず、単なる日本企業の出先機関と言う位置付けとなるのです。勿論、支店も現地法人よろしく積極的に営業活動を行いますのでそれに掛かる費用や収益も発生して来る事になります。

但し、現地法人と明確に異なる点と言うのは海外支店も日本企業の一部なので海外支店で発生した収益・費用については、そのまま日本本社の収益・費用に合算される事になることを押さえて置く必要があります。つまり、海外支店の利益は日本企業の課税所得を構成し、国内の法人税や住民税が課税させる事となるのです。


では海外支店は進出先の国で納税が必要となるのでしょうか?これについての答えと言うのは、海外支店は(駐在員事務所と違い)進出先国で営業活動を行って利益を計上するので、現地の法人所得税を納税する必要が出て参ります。つまり、海外支店は海外支店で売り上げた金額に対する現地での課税金額を出す為に税務申告を必要とする訳です。

この点には読み手である方にとって違和感が生じるかも知れませんので繰り返し説明しますが、これはそもそも日本企業が日本での申告納税に加えて、支店を持つ海外(例えば香港)でも申告納税を求められることを意味しています。


このように海外支店の利益は日本だけでなく、現地に置いても課税される為、一種の『二重課税』が発生することになります。従ってこの二重課税を排除するには日本の親会社は外国税額控除を申請する必要が出てくるのです。こうすることで、海外支店で納付した税額を日本の親会社の法人税等から控除することが出来、二重課税させられてしまうことを避けることが出来るのです。

例えば香港の法人税率は基本的に16.5%ですので日本の法人税29.97%の額の内から差し引く形となるので29.97-16.5=13.47と言う差額を日本の税務署に納税するイメージになりますが、実際は香港支店の稼いだ分だけが香港での納税対象となるので日本の親会社全体でのインパクトは余りありません。


また支店であるメリットと言うのは海外支店自体が赤字である時です。こうすると海外で被った損失が日本の親会社の利益(を出しているのであれば、ですが)を一部喰い込むかたちとなるので日本での課税額を減らす事に貢献(?)させることも可能です(現地法人の場合でも連結対象となっていれば同様の処置は可能)。

但しデメリットと言う部分では訴訟案件などが発生するとダイレクトに日本本社のマターとなってしまうので、上場企業などの場合はこれが株価に影響を与えてしまう事も有り得る話となりますので注意が必要です。


尚、話が前後しますが、平成26年度の税制改正によって上記の外国税額控除の適用については海外支店の外部取引や内部取引に関する一定の文章化が必須となりましたのでこの点も確りと事前に準備をされて置くことが重要です。

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