駐在などで1年以上の予定で日本を離れる場合、出国の翌日から「(日本の)非居住者」と言う扱いになるのは以前の記事でも何度も触れさせて頂きました。
こうした際、海外で得る所得についてはその国のルールに則って処理がされるものですが、この間でも(仮に)日本国内で発生する所得については、引き続き日本の所得税が適用される事になります。
事例として上げさせて頂くと、例えば貸家の賃貸料等の不動産所得が一定以上あれば、毎年の確定申告を行わなくてはならないとなり、このような場合には、その駐在者は自身が出国するまでに自分の「納税管理人」を定める必要が出て参ります。
では、この「納税管理人」の役目とは一体どのような内容なのでしょうか?
一般的に納税管理人の行う仕事と言うのは、確定申告書の提出や、税金の納付等、非居住者の納税義務を果たす為に置かれます。納税管理人を定めた時は、その非居住者の納税地(通常は出国直前まで居住していた住所のあるところ)を所轄する税務署に「納税管理人の選任届」を提出する必要があります。
納税管理人の届出をした後からは、以後、税務署が発行する書類はこの納税管理人宛に送付される事になります(尚、何らかの原因によって納税管理人を解任した時も、当該納税者の納税地の所轄税務署長にその旨を届け出する必要があります)。
ではこの納税管理人とは一体誰がなるものなのでしょうか?
これは通常、日本に残る家族・親族、友人、会社の総務担当者等が適切な該当者であり、基本的な任命のルールとしては、日本の居住者であれば誰でもこの納税管理人になる事が出来ると言うものです。
では、この納税管理人を定めると言うのは駐在員にとって必須事項であるのでしょうか?
結論として申し上げるとこの納税管理人を立てるかどうかの判断は、自分自身で行う任意型であると言えます。立てる事によって得るメリットと言うのは自身の確定申告の際に、扶養控除の判定に関して不利を被る可能性が低くなると言う事です。
つまり、納税に関する意識を確りと当局に表示する意味合いでも、この「納税管理人」を選定し通知して置くと言うことは、(日本のシステム上に置いては)上手な立ち回りを行なっていると言うアピールになるのです。