香港では一般家庭に置いて家族と共に生活を行い、家事などを主体としたサービス業務に従事している労働層が存在しています。この職業は英語では「ドメスティックヘルパー(Domestic Helper)」、また現地では「アマ(Amah)」などと呼ばれており、共働きを行うような現地の家庭にとっては重要な役割を担っている職業のひとつと捉えられています。
この職に就く多くの女性は香港にとって"海外"となる国々、例えばフィリピン、インドネシア、タイ、ベトナム、ネパールと言ったアジア諸国を中心として訪れており、通常は2年更新で特殊なビザを取得することでこの仕事を行なっています(但し、インドネシアは政府が海外労働派遣を2017年より停止)。
では、こうした「ドメスティックヘルパー」は一体どの様な経路を辿って雇われるものなのでしょうか?
具体的な方法はいくつか存在しています。
その中で最も典型的な方法と言うのは、上記アジア諸国にルートを持つなどして香港でのドメスティックヘルパービジネスを牽引する「エージェント」を経由したものであり、また別の方法として主流となるのは香港人同士や駐在員間(家族含む)での「クチコミ」と言った方法も御座います。
ではそれらの方法をピンポイントでご説明して参りましょう。
・エージェント経由
このエージェントと言うものはピンからキリまでであるのは事実であり、必然的に確りしたところを選出して置く必要が出て参ります。その目安として上げるポイントと言うのは、そのエージェントが香港政府に営業の許可を受けているところかどうかと言う点にあります。
確りとした所の紹介でドメスティックヘルパーを雇うとなると事前に候補者に対する入念なスクリーニングを行なっていますし、ビザの代行業務なども確実に対応して頂ける事になりますので安心です。
但し、こうした政府許可を受けていたとしても、手数料や料金についてはケースバイケースであるところもあるので選定の段階では何社か見比べた上での決定をお勧めします。
・クチコミ
日本への本帰国が決まった知り合いのご家族等のヘルパーを譲り受ける場合や、知り合いの家などで働いているヘルパー自身の家族(或いは親戚)を紹介して貰う場合等がクチコミでは有ります。
特に前者の場合、新しい雇用主にとっては多くの点で(経歴上では見て取れない)ヘルパーの性質がより鮮明になる場合が多く、実際の生活の環境下での有効性やエージェントの仲介費用などが発生しない等の面で賢い方法の一つと言えるでしょう。
反面、雇用契約書自体が未締結になっていたり、労働ビザが上手く手配出来ない状態での見切り的な面もあったりと、一種の"諸刃の剣"と言える側面もありますので注意が必要です。
以上が其々のポイントとなりますが、これに付け加える部分と言うのは、こうした契約を結んだ場合は1)必ず住み込みであること、2)パートタイムでの仕事は原則禁止であることの2点があります。
更にこのヘルパーに対する労災保険は雇用主がヘルパーの為に加入させて置く必要があることも忘れてはならない重要な点の一つとなるでしょう。