前回は香港で個人口座を開設する際の事前準備いついて説きました。今回は会社設立を行い、その口座を香港で開設するためのノウハウをご案内したいと思います。
⬛️法人口座
昨今の口座開設事情の中に置いては一般的に個人口座開設よりも法人口座を開設する場合の方が難易度が高いと考えられています。
何故なら法人が扱う金額は、個人が使用する金額を遥かに上回るケースが多く、また税を巡る当局とのやり取りにしても個人のそれよりも複雑である為、ともすれば"犯罪の温床"になる可能性が高いとされるからです。
従って一にも二にも法人には"実体"の証明が銀行(及び最終的には税務局)より求めれる事を理解して置く必要があります。
では実際の手続き上ではどのような書類が必要なのでしょうか?
1.会社設立証明書(Certificate of Incorporation)
2.商業登録証(Business Registration)
3.会社設立冬季書類(Form NNC1)
4.定款(Articles of Association)
5.取締役のID(香港ID或いはパスポート)
6.10%以上の株式を保有する株主のIDや住所証明書のコピー
7.日本での事業実態を証明する為に必要な各種インボイスやレシート、また銀行ステートメント、HPの情報、名刺、会社案内等
8.事業計画書等
上記の書類を揃え、口座開設希望者は銀行に出向くことになる訳ですが(事前に法人口座開設担当者とのアポが必ず必要になります)、この段階では、個人口座と同様、担当者とのコミュニケーションを英語か中国語で行わなくてはなりません。
しかも法人の場合は事業内容等の説明を行わなくてはならない為、一般的な日本人にとってはこのプロセスで気持ち自体が萎えてしまうかも知れません。
そもそもこうした厳しいプロセスを銀行が導入したのは、マネーロンダリングや租税回避に対する近年の国際的な規制の締付けがその背景にあり、その為、銀行にとっては口座そのものの実質的な支配者の確認・判定が最も重要なタスクのひとつとなったと言う事なのです。
しかしながらこれも個人口座の時と同じように上記に対する準備を確りと行う(="妥当"と思えるストーリーラインを構築する)ことで突破出来る可能性は格段に上がります。
英語での受け答えにも長文を喋る必要はなく、また質問そのものも一定のパターンに終始しています。更に追い風としては(口座開設に対する)難易度も、一時期の"ヒステリック"とすら称された状況から軟化の兆しを見せている事もあり、必ずしも不可能なチャレンジでは無いと言う事です。
また、(個人・法人)口座開設において謝絶されるケースと言うのは、むしろ口座開設希望者側の"準備不足"に起因するものが殆どであり、こうした結果を迂回するには、確りとした経験値を有する業者選定を行うことが重要なファクターとなりますのでその段階から成否に関する答えが出ていると言えるかも知れません。