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構造的に仕方がない?香港で車を所有すること自体が何故富裕層となってしまうのか?

更新日:2018年07月18日

結論から申し上げると"(香港で)車を持つ"と言うことは、庶民にとってやはり"高嶺の花"に相当するものであることは間違いありません。

何故そうなのかと申し上げると、先ず香港の広さの話から入る必要があります。香港の総面積は、仮に東京都の面積を100とした場合その僅か70程度の広さしかなく、更にその70の中に置いても(意外に思われる方々も多いとは思いますが)思いの外、山岳地帯の形状で占有されてしまう為に(住民が)生活できる地域と言うのが"限定されてしまっている"のです。


こうした環境ゆえ香港政府は以前から自動車総量の抑制を行っており、またこれに加えて最近では環境保護を理由とした社会的なモラルの発動と言う面からも高課税体制が適用されるようになっています。

結果、香港で乗用車を購入する場合は初期登録税を含めた購入時の総額がおおよそ車両本体価格の1.5倍〜2倍近くになると考えられており、購入後のガソリン代や駐車場代等の維持費も高額で馬鹿になりません(因みに新車を購入する際の初期登録税と言うのはどの位掛かるのかと言うと以下のような形となります)。

【初期登録税】
1) 〜HKD150,000までの車両価格に対して40%の課税
2) 〜HKD300,000(超過部分)→75%の課税
3) 〜HKD700,000(超過部分)→100%の課税
4) HKD700,000以上(超過部分)→115%の課税

こうした要因の為に香港で自動車を購入出来る層と言うのは必然的に高所得者であるか富裕者層が中心と成らざるを得ず、これが香港での乗用車事情がどちらかと言うと高級車寄りになってしまう主な理由となっているのです(ご参考までに香港での高級車保有率と言うのは71台/1,000人との事です)。


一方で電気自動車のケースはどうでしょう?

先ず、電気自動車購入を促進する土壌と言うのは一般の乗用車の購入時に発生する「初期登録税」が全面的に免除されていると言う点があります。実際の所、電気自動車の車両本体の価格は高額になる事を除けば相対的には割安となる事と、エンジンオイル交換と言った通常の自動車では必然となるコストを最初から考えなくて良いので購入後のメンテナンス費用を抑制出来ると言う有利な側面があります。

更に、これらに加えて日常生活で使用する際には走行距離そのものが香港の面積的な部分からも(必然的に)"抑えられる"と言う、言わば香港ならではの特異な立地条件に合致していることも人気を後押ししている性質のひとつと考えられます。

また近年スポットが当たっている"Eco"と言う、所謂「環境的」な視点からの立ち位置もある為、香港の街中でテスラの電気自動車が近年多く見られるようになって来たと言うのはむしろ必然であったと言えるかも知れません。

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