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香港法人・オフショア法人設立お役立ち情報

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大国の事情に振り回される(?)香港の抱える"窮状"

更新日:2018年10月19日

ご存知の通り、香港では多くの多国籍企業が関連会社に対する地域統括機能並びにファイナンス機能を持つ法人を設置しています。

実際、今回触れさせて頂くファイナンス機能を持つ部分に特化するCTC(コーポレートトレジャリーセンター/財務統括拠点)と言う制度の導入の理由と言うのは、その時点までにおいて、香港と言うところは「金融機関ではない海外の関連企業(例えば日本の親会社)からの借入金に対する支払利息については(原則として)損金不算入の取扱いと税務上では解釈」と言う点がネックとなり企業誘致上の大きな足枷となっていました。

こうしたこともあって、時の香港財政のトップであったJohn Tsang氏が2014/2015年度の政府財政予算案の中で「全世界の関連会社への地域統括機能並びにファイナンス機能を持つ法人の誘致を一層促進する為、税務条例上の支払利息に関する損金算入基準の見直し」を表明すると言うことになったのです。


そして具体的なアクションとしては翌年の政府財政予算案の中において「適格コーポレートトレジャリーセンター優遇税制度」と銘打ち、翌年(2016年4月1日)以降に開始する決算期から適用と言う流れになりました。


実際こうすることによって香港の現地法人は自分が借手となって親会社などの(香港をベースとしない)グループ法人から親子ローンなどの貸付を受け、その利息支払分については損金処理が可能となり、また逆に、香港現地法人が貸手となって、他の(これまた海外グループ)法人への貸付を行い、その貸付から発生する利息については税額優遇(16.5%→8.25%)されると言うのですから、こうした枠組みに該当する企業からは大歓迎されたと言うのは言うまでもありません。


そしてこうしたCTCに代表される"減税措置'に拍車をかけるかのように翌年の2017年、香港政府はもともとアジア随一の税率であった16.5%から更に50%も削減する8.25%の税率(法人税)を導入する形となりました。

勿論、これには前提条件があるので全面的な税率の書き換えではありませんが(課税対象利益HKD2milまでが条件)、それでも課税率が一桁台に入ったことのインパクトは大きく、その成功の行方を今は各国が見守る形となっています。


では、香港がこうした抜本的とも言える税制を矢継ぎ早に導入することに踏み切ったのは何故でしょうか?それは一にも二にも、大国が打ち出している減税政策のインパクトが関連していると言うのは否定しようが無いことのように思われます。

アメリカやイギリスと言った一級国が挙って低税率化を叫ぶ昨今の状況であるのは事実であり、香港のような機能や抵税率を"売り"にしていた地域(国)からすると、投資先の分散が起こってくるのは明白です。そうでなくても香港が頼る中国とのビジネス規模も返還が行われた1997年当時と比較するとその影響力が6分の1まで下降しており安泰として居られない事情が横たわっているのです。


以上、こうした背景を理解し、香港の打ち出す政策を眺めて見ると、その苦しい窮状と言うのが"炙り出されている"と言っても過言ではないのではないでしょうか。

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