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香港の"アマ文化"が日本に訪れる日

更新日:2019年04月26日

移民先進"地域"(香港は国ではなく、中国の一国二制度の中にあるひとつの特別地域です)である香港。日本人だけでも約2.5万人は生活をしていると考えられている同地域ですが、「移民外国人」層と称される外国人メイドについては現在約33万人もの人数が香港に居ると言われています。


香港自体の総人口が約700万人であることを考えるとそれを分母とした場合は約20人強に1人の割合でこの外国人メイドが存在することになるのですからこれは重要な社会的勢力のひとつと解釈しても決して大袈裟なことではありません。

実際のところ、香港で生活すると、特に休日や週末の日曜日はフィリピン人やインドネシア人のメイドと思われるような人々が大挙して公園や道路脇に押し寄せて日がな一日、その場で束の間の休息を楽しんでいる様を見ることになります。


2015年10月、この外国人メイドに対する最低賃金が引き上げられることになりました。従前の待遇ではその最低賃金額が月額HKD4,110(邦貨:約58,000円)からHKD 4,210(邦貨:約60,000円)へと増額したことになった訳ですが、香港の物価を前提として考えると殆ど"無きに等しい"扱いと言っても良いものです。

むしろ、香港の平均月収がおおよそHKD14,000(邦貨:約200,000円)であることを考えると、彼女達の収入は上記の30%程度にしか過ぎない為、事情を知らない統計家などがその数値を見たりしたら声を大にしてクレームを発することでしょう。


但し、こうしたメイドが一方的に不利益だけを被っているのかと言うとそう言う訳でも無さそうです。何故ならば香港では外国人メイド職につく者は住込みが義務付けられている為、生活の場所(シェルター)そのものは基本的に確保されていることであったり、そのための家賃や水道光熱水費、また食費と言った部分も無料になる為、(僅かな収入であるとは言え)仕事がある限りは立ち行かなくなると言うことが無いからです。


また、前述のような"メイド輩出国"の本場であるフィリピンやインドネシアでの同職の扱いが相当酷いと言うのが背景として存在していることも見逃せない事情の一つかも知れません。彼女達がわざわざ自国を離れて香港を目指す所以と言うのは、一にも二にも香港でのPayが母国での同職の2〜3倍であることや、自分の生活拠点となる部屋が、多少なりとも"人間扱い"されている(→全てではありません)環境であるからと言う部分もあります。

(しかしながら、インドネシア人メイドが香港での虐待を受けて裁判沙汰になり、香港社会を動かした事件であるスリスティアニンシ事件以後、外国人メイドとして香港での仕事を希望するフィリピン人やインドネシア人の若者達の数は相当数減少してしまったとのこと)


そして視点を上述の国々から移し、次なる"候補先国"として挙げられているのが、実は我が国日本です。一部の報道にもありますが、近年、日本でも神奈川県の一部エリアで試験的にメイド受け入れを導入する形になり、今後それがどのような形に発展して行くのかに注目が集まっています。

日本人の気質としては、基本的に1人の人間に対して劣悪な生活環境を強いることを"当然"と捉えることには抵抗感を覚える層が大半である為、住環境をベースとした条件についてはメイド側目線としてはクリアすることになるでしょう。

ただ、日本人が求める仕事基準はアジアでも最も高い水準であることは明白である為、メイドの働き方しだいでは費用対効果の面で雇用メリットが感じられないとなると、元々こうしたスタイルに慣れていない国民性が後押しする形で社会問題化し、結果としてメイドの職場が狭まって行く可能性が出て来てしまうのは否めません。


以上、香港や日本を市場とした場合の外国人メイドの現状と将来を記しましたが、こうした世界は実は思ったよりも早く我々の生活の中に入り込んで来る可能性と言うのはあるような気がしますが、Blog読者の皆さまはどうお考えになるでしょうか?

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