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「香港」と言う地域の歴史、基礎情報について

更新日:2019年06月27日

●歴史:
香港と言う所に大陸の人間=中国人が住み始めたのは歴史的には唐の時代からと言われていますが、香港が現在のような国際的な商業都市としての道を歩み始めたのは19世紀に入ってからであり、1839年当時のイギリス貿易代表C.エリオットがアヘン取引の規制により中国広州を退去して香港にその本拠地を構えたのがその第一歩と考えられています。

そして第一次アヘン戦争の結果締結された南京条約に基づき、イギリスが中国(当時は清)から割譲を受けて植民地化し、1860年及び1898年の北京条約によって九龍半島割譲や新界および235の島々を99年間リースとして貸し出されることで近代香港のベースが構築されることになって行きます。

その後、1997年にはそのリース期間が満了を迎えることとなり、今度はイギリスから中国へと戻されることによって現在の形(=一国二制度)と言うシステムを50年間継続すると言う前提で、再出発を切ることとなる訳です。


●基礎情報
・地理&面積&気候
香港島、九龍に続き、上記の歴史でも触れた230以上に及ぶ島々から香港と言う地域(香港は「国」ではありません)は構成されており、中国大陸内における広東省と呼ばれる省の南部に隣接しています。

その総面積は1,106平方キロメートルであり、これは丁度、東京都の70%程度に相当する大きさとなります。

しかしながら地形的には多くの部分が山や岩層の丘陵地帯となっている為、住民が生活出来るエリアはそれ程大きく無いと言うこともあり、それが今では香港のセールスポイン"である超高層ビル群で街が形成される主要因となっています。

また気候はほぼ一年通期に渡って湿度が高く日差しが強い典型的は亜熱帯気候であると言えます。


・人口&人種&言語
香港の人口は約740万人であり、その内の約2割が香港島、3割が九龍地区、そして残りの5割が新界&周辺諸島に居住しています。構成する人種は多様ではありますが、しかしながらその多く(約92%)は中華系となります。

また使用する言語は基本的には中国語の方言と考えられている広東語であり、イギリス統治の名残を残す意味での英語もこの広東語と並び公用語のひとつとされています(尚、北京語は公用語ではありません)。


・文化&宗教&教育
92%が中華系であることもある為、文化の骨子は中国文化と言っても差し支えありませんが、イギリス植民地時代の影響も強く残っていることもある為、中国内陸部のものとは明らかに異なる文化を醸成していると言えます。

宗教の選択は自由であり、事実としてキリスト教やイスラム教等の信仰を唱える層も存在しますが、大多数はやはり中国文化の影響から仏教徒や道教徒となります。

教育については義務教育期間が9年間となり、その内訳は日本と同様の6年間の小学校+3年の中学校と言った構成ですが、中学そのものの期間というのは6年間となります(つまり最初の3年間だけが義務教育範囲)。

そしてその後は高校と言う概念が香港には無く、直接大学入学をして4年間を過ごすと言うのが一般的なスタイルと言えます。


・インフラ(交通&通信)
香港の交通機関で代表的なものはMTRと言う地下鉄が挙げられることでしょう。このMTRの建設には日本からの協力も相当有ったとのことであり、MTRで使用するOCTPASS(八達通/オクトパス)は今の日本のSUICAやPASMOの原型モデルであることには日本の方々にとってはとても親しみを感じる要素であるに違いありません。

また、「通信」についても香港は世界で最も発達した都市であると言えるでしょう。それこそ電話・通信回路は月額基本料金のみで何時間、何回かけても通話料金は不要であり、これが香港域内でのネット環境充実にひと役買っています。そして香港の携帯電話加入者数は何と人口の3倍近く登録者数としてはある事も驚くべき数値であると言えます。


・政治
最後に政治です。ここについては市民と香港特別行政区政府との軋轢がここ数年の間に何度か見られた箇所です。しかしながら基本的な立ち位置と言うのは中国からは外交&軍事を除く他の領域で香港は自治権を持つものとされています。

通称、「基本法」によって香港はイギリスからの返還後、50年間は現行体制である「一国二制度」下にあるのであり、約束をイギリスと交わした中国を筆頭として、その「体制」は今後も守られて行かなくてはなりません。

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