1. TOP »
  2. 法人設立お役立ち情報 »
  3. 香港 »
  4. 香港一般

香港法人・オフショア法人設立お役立ち情報

香港 > 一般

「解雇」と言うものの取り扱いと制度として存在する枠組み

更新日:2019年11月19日

香港では社会制度上、被雇用者に対する"セーフネット"と言う目的で機能している制度と言うものの中に「労災保険」や「MPF」と呼ばれる退職金スキームに加えて「解雇補償金」や「長期服務金」と言うものがあります。この2つの制度と言うのは労働者が下記に該当するような一定の条件下の中で、解雇ないし退職した場合、所属していた会社から支給を受ける法的な金銭のことを言います。


先ず、最初にご紹介する「解雇補償金」ですが、これは定義として"連続性契約に基づいて2年(24ヶ月)以上雇用されている従業員"が対象者となり、その定義に則って付け加えられる条件=受給資格を満たすことで履行されることになります。


解雇補償金(Severance Payment)の受給資格
1.余剰人員整理を理由に解雇された場合
2.雇用期間が予め定められた雇用契約の終了後に余剰人員整理を理由に解雇された場合
3.従業員が業務停止とされた場合


次に「長期服務金」ですが、この定義については"連続性契約に基づき5年以上雇用されている従業員"となっています。そして、その定義をベースとして付け加えられる条件=受給資格は以下の通りとなります。

1.解雇された場合(従業員による重大な過失による即時解雇及び余剰人員整理の為の解雇を除く)
2.期間の定めのある雇用契約の終了の後に余剰人員整理を理由に解雇された場合
3.従業員の希望による場合
4.従業員が永久に契約上の業務に不適格であると判断された場合
5.65歳以上の従業員の退職の場合

また、上記の計算方法は以下の通りとなります。


◎最終月額賃金x 2/3 x 就業年数 或いは22,500HKD x 2/3 x 就業年数 の内の何れか少ない方
(注)尚、日払い/出来高払いの従業員にとっては、直前の30日間のうち、従業員が選択した通常の労働日のうち18日間の賃金 x 就業年数、或いは22,500HKD x 2/3 x 就業年数 の内の何れか少ない方が適用。また雇用期間が1年未満の場合は按分計算となる。


尚、雇用主は香港法人の従業員を捌く際に解雇禁止となる対象の従業員が存在していることを留意して置く必要があります。以下に該当する層に対しては特に慎重に対応しなくてはならないでしょう。

1)妊産婦⇒女性従業員で妊娠が確定した者が居た場合で会社にその旨を通知している場合は、会社はその従業員を解雇することができない。

2)有給疾病休暇者⇒従業員が有給疾病休暇に服している場合は解雇ができない。

3)上記(1)、(2)に関する(妊娠&疾病の)情報を関係当局に申請している最中は雇用条例や就労時の事故或いは労働安全基準指針違反の規則に従って当該労働者を解雇することはできない。

4)労働組合の活動⇒労働組合に加入している、或いはその為の活動を行っていると言う理由で当該従業員の解雇はできない。

5)就業場所で怪我をした場合⇒就業場所で怪我を負った従業員を、補償について会社と合意する前及びその証書を発行する前に解雇することはできない。


また、解雇と言う枠組みの中では「普通解雇」と言われるものと「即時解雇」と言われる2つのタイプが存在しており、それらは以下の通りとなっています。

◎普通解雇
1.試用期間があり1ヶ月以内の場合⇒事前通知無しに解雇可能(※)
2.以後⇒予告期間は雇用契約に従うがその規定が無い場合は7日以上となる。また賃金はその在職期間相当額となる
(※)試用期間が雇用契約に規定として存在しない場合⇒7日以上前に予告することとなり、賃金はその在職期間相当額となる


◎即時解雇
一定の事由がある場合、会社は雇用契約に対する事前通知或いは通知に代わる支払い無しに、その従業員を懲戒解雇することが出来、その判断基準は以下の通りとなります。

1..適法且つ合理的な業務指示に意図的に従わなかった場合
2.その従業員に非行事項が認められた場合
3.その従業員が詐欺により有罪と認められた場合
4.その従業員が継続的に役務を怠った場合

▲ページのTOPへ

スマホサイトを表示