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香港が2020年に乗り越えて行かなくてはならないハードルについて

更新日:2019年12月26日

今年も師走の時期に入り、世界中の街角ではクリスマスやら新年に向けて華やかなデコレーションやパーティー・イベント等で毎日のように彩られることでしょう。香港も例年は多くのイベントが開催されたり、それに合わせて街の景観が「繁栄」を象徴するかのようなイルミネーションで埋め尽くされることになる訳ですが、今年はあらゆる意味でそれらは抑制されたものとなるかも知れません。


香港の2019年、これは兎にも角にも「逃亡犯条例」の改正を巡っての民意と政府の争い=デモ衝突に尽きました。法案起草日となった3月29日以降、この法案の改正を急ぐキャリー・ラム行政長官以下の香港政府と香港市民の激突は6月から本格化、以後毎週のように各地で発生すると言う事態になり、未だ解決の」糸口が見つからない状態です。


現在の香港政府を固める要人達と言うのは、言わば中国の"肝入り"人脈で構成されているが故、民意を反映した政策を取ると言う立ち位置よりも、自分達の"保身"が優先であることが白昼の下に晒されてしまったこともあり、最早、(民意として)この政府に対する期待と言うのは雲散霧消しているのが現状です。


中国としては、通常国内での騒乱については力で押さえ付けることが定石ではあった訳ですが、香港デモについてはその対応に"苦慮している"と言うのがこれまでの経緯から見えて来ます。何故なら香港と言う地域が、当初中国が捉えていたイメージより遥かに巨大であり、また世界中からの視線が否が応でも集まってしまうと言う側面があった為です。


GDP世界第二位と言う地位まで登り詰めた中国にとっては先ず大国としての面子が存在していることや、人間関係において中国人そのものの特性が"面子を重んじる"と言う文化の中では育まれている為、これらが相俟うことで逆に"動くに動けない"と言う呪縛に陥っていると言うのが上記の"強権発動"と繋がらない理由であると言っても間違いで無いでしょう。


では香港が進む2020年についてはどのような材料があるのでしょうか?


民衆が求める要求事項と言うのは一見、ハードルが髙そうに見えなくもないのですが難易度の観点から見ると未解決になっている4つの内で一番大変なことは以下のリストの中の5番だけと言っても良いかも知れません。

1.逃亡犯条例改正案の完全撤廃
2.市民活動を暴動とする見解の撤回
3.デモ参加者の逮捕・起訴を中止
4.警察の暴力的制圧の責任追及と外部調査の実施
5.キャリー・ラム行政長官の辞任と民主的(=普通)選挙の実施

上記の2と3と4と言うのは5が受け入れられれば自ずと連動して収拾に向かう類いの項目です。また懸案となる5番についてもキャリー・ラム行政長官自身は既に北京に対して辞意を数度に渡って伝えていたとも言われており、この申出を北京側さえ承諾すれば、一気に事が進展する可能性を含んでいます。

先月の24日に行われた区議会選挙(地方議会選に相当)でも明らかなように、民衆が直接選挙を行うことで得る結果(民主派が議席数の約85%を獲得して圧勝)は北京=習近平を動揺させるには充分なものであり、これを受けた対応に注目が集まるのが2020年となるかも知れません。また、中国としては"第二の天安門"を香港で起こしてはならないと言うトラウマもある為、ここは彼等の面子を如何に保たせた形での決着(=理由作り)をどのように交渉するのかが焦点でしょう。

但し、これを誰が行うのか?と言う部分が解決しないことには物事は先に進みません。また中国の譲歩はすぐさま"共産党の弱体化"と捉えられる節がある為、場合によってはそのインパクトが国内に"逆流する"こともあので、膠着状態の中で何を取捨選択するのかが重要です。


以上、様々な不確定要素が漂う現状ではありますが、これらを乗り越えて行く力が香港にあると世界に示して行く責務が2020年最大のテーマであることは間違いありません。

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