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MPFの解約→個人口座への入金について
更新日:2020年02月12日
香港では21世紀に入る丁度一年前の2000年、一般市民の為に社会制度の一環として公式に退職金積立制度を導入しました。この退職金積立制度は英語表記でMandatory Provident Fund(略称:MPF/強制型確定拠出ファンド)と命名され、香港政府が発起人となり在香港の金融(=信託系や銀行、保険会社)機関に運用に委任する建付けで取り入れられることとなったのです。
この制度は、上述の英文表記であるように、労使ともに"強制的"に積立金を毎月行わなくてはならず、そこで上がった拠出金を銀行や保険会社が徴収し、系列の信託会社で運用を行うことで成り立っています。
但し日本人や外国人にとっては、例えば自国で既にこのような"類似制度"に加入をしている者であるならば、香港政府が言うこの"強制"枠からは加入免除されることになりますが、それ以外の層(一般香港人や外国人でも自国のスキームに加入をしていない者)についてはこの例外項目に該当はせず、その為参加を義務付けられるものになります。
通常は香港内でその後も継続的に仕事を行う限り、このMPFもそれに応じる形で毎月拠出金積立が行われることになりますが、そうは言っても加入している層の中ではその後何らかの理由で香港を離れたり、或いは何処かのタイミングで自国へ帰国(例:外国人)すると言う事由が出て参ります。
こうした場合は必然的にこのMPFへの積立や運用を中止するなどしてそれまでの積立や運用金額を引き下ろす場合が可能性として存在します(積立停止を行い、信託会社で運用のみを委託すると言うオプションも存在します)。
ではその時には一体どのようなステップが必要となるのでしょうか?
以下に挙げるものはその際に必要となる書類になりますのでご参考ください。
1.香港ID(或いはパスポート)
2.MPF運用会社(例:信託会社等)からの解約書
3.宣誓書
4.IRD(香港税務局)からのリリースレター
上記の書類を用意し、香港の各拠点に設置されているHome Affairs Department(民政事務局)に出向いて行くことになります(尚、事前の予約を入れて自分の番の確保する必要はありません)。
これはMPF解約に於いてそこに居る公証人の前で「宣誓」と言う儀式を行うことが解約希望者には定められており、そこで手渡される英文(或いは中文)をこの公証人の前で読み上げて行くことで完遂します。その後、解約申請者は書類に署名を行い、公証人の署名及び民政事務局側の捺印を頂いた後、MPF契約を行った運用会社に書類を送ることで解約申請者側の仕事は終了します。
運用会社としてはその書類を受け付けた後、支払いの為の手続を約2~3週間掛けて行い、解約申請者の指定銀行口座に振り込みを行います。
尚、このMPFの積み立て払い出し(途中解約或いは早期解約)についてはその方の人生において"1度のみ"と言う条件があるので、仮に将来、その方の事情が変わったり、或いは考えを改めることで再び香港での生活がスタートするような場合があったら、次回は前回と同じような中途解約を行うことは許されず(死亡以外)、法定上の支払開始時期と定められている65歳まで待たなくてはならないことを最後に明記して置きます。