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SARSを遥かに上回る!?『新型コロナウィルス』の持つ脅威とは?

更新日:2020年02月06日

新型コロナウィルスの"猛威"を象徴する感染者の数の報告が、ここ数日間において急速に拡大しています。香港も中国との接点や人の行き来を筆頭とした交流が広範に及ぶこともある為、交通機関を停止するなどその対応に追われており、このほどキャリー・ラム行政長官もその種の対策を発表することになりました。

また、こうした流れを受けることで各国政府も敏感にこの状況に反応、我が国もチャーター機を武漢市に投入することで当地に在留していた邦人約200名を緊急帰国させると言ったような、かつて無い対応を行っています。


香港の方々にとっては今回の新型コロナ・ウィルスが広がる過程を(今から遡ること)17~18年前に発生したSARS(重症急性呼吸器症候群)と重ね合わせる形で見ている人達は多いでしょう。

SARSは2002年、中国広東省で発生し、その後32の国々まで拡大する勢いを見せると言う猛烈な伝染病でありました。当時の香港の状況と言うのは、まさに現在の香港が対コロナ・ウィルス対策として行っていることと同じことを行っていたと言えます。


ロイター社等の記事によると、今回の新型コロナ・ウィルスの厄介なところと言うのは2点に絞られます。先ずひとつ目は、現時点でまだ感染経路が特定出来ずにいると言うこと、そしてふたつ目は一定の潜伏期間があると言う点が挙げられます。


SARSの場合、感染後に短期間で重症化することが特徴的ではありましたが、これは同時に感染経路の特定を行う上で助けになりました。ところがこの新型コロナ・ウィルスは時間的な"タイムラグ"が存在するが故に感染経路ひとつとっても様々な経緯を想定する必要が出てしまい、問題を一層"複雑化"させます。


SARS及び鳥インフルエンザと言った伝染病の分野で権威とされる香港大学の管軼(グアン・イー)氏のコメントは今回の伝染病の流行に対して非常に"悲観的"です。ロイター社のインタビュー等ではこの新型コロナ・ウィリスの感染規模について「(SARSの)10倍以上に及ぶ」と断言したと言う程なのです。


勿論、管氏がこうしたことを言うには確りした根拠がある事を見逃してはなりません。今年の1月21日、今回の状況調査の為に武漢市を訪れた同氏は、目の前で起こっていたと言う光景に思わず言葉を失います。

何故なら伝染病発生が伝えられている状況下でありながらして、尚も不衛生な環境と無秩序(例:市場の地面は湿り、風通しが良くなく、且つ沢山の人々がその中を行き来する、空港では床が未消毒、保安官は外見上のイメージ劣化を恐れる余り、薄いマスクのみの着用、団体客等が政府警告を無視)が横行していたからなのです。


武漢市市民からはこの伝染病に対する危機感と言うものが感じられず、また優先順位も(自分の)身体を伝染病から守ると言うより(旧正月週間に入るタイミングであったこともあり)年末の準備に勤しむと言ったものでありました。

つまり同市では誰もがその為の防御(=病原菌の封じ込め)に最善の努力を行なっているのでは無く、こうした意識の希薄さが、惨憺たる状況に一層の拍車をかけてしまっている事を露呈していたからなのです。


追って1月23日になり、武漢市はようやく(?)重い腰を上げ、(航空機を含む)公共交通機関の運行の停止を行いましたが、これこそ"遅きに逸する"と形容せざるを得ない対応です。今後の状況がどのようになるかは今の段階では読み切れるものではありませんが、仮にこの状況が一層の深刻化を辿るようであるならば、国全体の先行きに大きな影響を及ぼす可能性すら出て来るかも知れません。

香港も対中の依存率が髙い収支面がある為、こちらも(デモに引き続き)より一層苦しい状況へと追い込まれる事も予想されます。


何れにしても、こうした展開に対する対応のやり方をどう打ち出して行くかで2020年の経済状況を占えると言っても大袈裟では無いでしょう。

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