4月18日に全国規模まで広がることになった「緊急事態宣言」発令は、翌5月14日、東京、大阪と言った主要都市8都道府県を除く39県がその対象から外れることを受けて"本来あるべき姿"である従来の経済活動が再スタートを切る形になりました。
勿論、従来の経済活動再開と言うのは人々が(この"自粛"期間で閑散としていた状態から)再び"密集する"ことを意味する為、結果的に北海道のような「第二波」発生がこれらの解除対象県の中から出て来るリスクを含んでいます。そう言う観点からこの新型コロナウィルスの最終的な「終息」というものは、やはりまだ"数カ月先"と読むのが妥当なのかも知れません。
さて、一つの国というベースではこうした「緊急事態宣言」や(西洋諸国が実施した)都市封鎖=「ロックダウン」と言った手法を駆使することにより、こうした感染病対策を敷いて行くことは可能ではありますが、これが各国"間"と言う見方になると一国内で行えるような"連動性"を見出すことは出来ません。
換言するとそれぞれの国々はそれぞれの手法で管理を行なう形になると言うことですが、今回、あるニュースメディアが纏めたアジア圏での出入国について紹介をしていた為、本項ではその内容を要約してご案内させて頂きます。
<中国>
・中国→日本
■ 過去14日以内に滞在していた外国人は現時点(5月12日現在)で入国を拒否
・日本→中国
■ 15日以内の滞在について査証を免除する措置を全て停止
■ 3月28日より、それまでに発行された有効な訪中ビザ及び居留許可証による外国人の入国を暫定的に停止
■ 今後新たに取得するビザでの入国は可能。APECビジネス・トラベルカードを所有する外国人の入国も暫定的に停止。外交、公務、礼遇、C(乗務員)のビザを有する者の入国は影響無し
<韓国>
・韓国→日本
■ 過去14日以内に滞在していた外国人は入国拒否
日本→韓国
■ 全世界の在外韓国公館で発給した短期ビザの効果を停止
■ 日本に対するビザ免除措置と既に発給されたビザの効力を停止
<台湾>
・台湾→日本
■ 過去14日以内に滞在していた外国人は入国拒否
・日本→台湾
■ 日本を含む全ての外国人の台湾入境/乗り継ぎは不可。例外として居留省、外交公務証明、ビジネス契約履行証明或いはその他の14日間の在宅検疫要
■ 3月24日から当面の間、航空機のトランジットを禁止。当初4月29日までとしていた台湾/中国線の縮小と4月30日までとしていた乗り継ぎ全面禁止を延長
<香港>
・香港→日本
■ 過去14日以内に滞在していた外国人は入国拒否
・日本→香港
■ 海外から航空機で香港国際空港に到着した全ての非香港居住者、中国本土、マカオ、台湾から入境する非香港居住者で、過去14日以内にこれ以外の海外滞在歴のある者の入境を禁止
■ 香港国際空港は全てのトランジットを禁止
以上のように、日本がコントロールする外国からの入国に関する規定(=外国→日本)と言うものは、ご覧の通りに全て統一されたルール付け(過去14日以内に滞在していた外国人は入国拒否)となっていますが、その逆である日本から諸外国への渡航に関する取扱いと言うものについては各国様々であり、言い方を変えれば"濃淡"が見え隠れしていると言えます。
しかしながら、(政治上の軋轢などを理由とする)一種の"差別的"判断から来る取扱いと言うものは、日本と中国や韓国の間柄でも存在していないのは幸いなことであり(※)、良識が保たれていることは評価できる一面かも知れません。
勿論、この「枠組み」の変更については(状況の発展具合により)今後変更される可能性があることは明らかですが、幸い、今回挙げた国々というのは"コロナ禍"の状況から何れも日本より一足先に回復傾向の段階に入っており、そう言う事を考慮に入れるとこれ以上規制そのものに更なる"詰め"が入ると言うのは現実的なチョイスでは無いと捉えても良いでしょう。
(※)これは2020年5月12日までの判断となります。