今年の初旬から世界中に猛威を振るい、社会に甚大な被害を与える形となっている新型コロナウィルス感染症ですが、一年も終わろうかと言うこのタイミングになってもその猛威は一向に衰える気配がありません。
日本も第一波と捉えられた春先の段階を経た後、『緊急事態宣言』などの政府対策もあったことから一旦は収束の気配を見せ始めた時期もありましたが、政府推進のGoToキャンペーンなどの本格化を境として再び感染者数が増加(最多数を連日更新)傾向に転じ、現在では警戒レベルで最高段階に当たる4の評価と言う深刻な状況へと陥っています。
また、こうした日本の状況以前に欧州では既に第三波が発生・認識され、「ロックダウン」などの強制措置が再び導入されるなど世はまさに「新型コロナ旋風」に席巻されていると言っても良いでしょう。
香港でも一旦は感染者数を非常に少ないレベルまで抑える期間がありましたが、それが再び増加傾向へと舵を切り始めた途端、迅速且つ強力な対策を導入することでこの状態をコントロールすることを目指しています。11月3日、香港政府のトップであるキャリー・ラム行政長官は同月5日に期限を迎えることになるそれまでの防疫措置について1週間延長することを発表しました(その後2度延長)。
以下は在日本国総領事館からも通知された香港政府の一連の発表の要約をご紹介します。
◆防疫関係<11月26日まで>
1)レストラン等飲食店:午前0時〜翌午前5時の店内飲食禁止→その後午前0時までに変更。更に客数制限を75%から50%に縮小。更に1卓席4名まで(レストラン)、2名まで(バー)。
2)ゲームセンター、浴場、ジム、ボーリングやビリヤードなどのアミューズメント施設、映画館等のエンターテイメント施設、パーティールーム、エステ・ネイルサロン等、クラブハウス、ナイトクラブ等、カラオケ、麻雀、スポーツ施設、プール:条件付きで営業→スケート場及び屋内運動施設内ではマスク着用。
3)マスク着用義務:屋内外公共場所、交通期間
4)集団制限:公共の場所で4人まで
5)ホテル利用に関する新規規制
・1室利用は4名まで(家族での利用は除く)
・利用時の顧客個人情報の登録
・(ホテルでの強制検疫が行われるところ)強制検疫の対象者とその他の顧客の利用階は分別。また強制検疫対象者が部屋を離れないような措置を取る。
・11月18日から強制検疫対象者への訪問禁止。差し入れ等は部屋の前までとする。
◆出入境関係
1.海外から香港への入境:香港居民(香港IDもしくは査証保有者)のみ入境可。但し、入境後14日間の強制検疫<12月31日まで>
2.中国本土、マカオ、台湾から香港への入境:香港居民、非香港居民とも入境可。但し、入境後14日間の強制検疫<12月31日まで>
3.マカオへの入境:マカオ居民(マカオID所持者のみ、ブルーカード保持者は含まない)及び香港永久ID保持者のみ入境可。但し、入境後14日間の医学観察と事前の核酸検査陰性証明書の取得が必要。外国人は入境不可<無期限>
4.香港国際空港は、同一航空券での搭乗に限りトランジット可。但し、中国本土行きのトランジットは不可。マカオ国際空港はトランジットサービス停止<無期限>
◆強制検査の実施
また上記と関連して香港政府は11月15日から政府が特定グループの者に対して、また指定医師が有症状者に対してCOVID―19の検査を受けるよう求めることが出来る法律を施行。
1.政府が強制検査を求める対象例としては、感染爆発が出た建物の住人や当該建物で勤務する者、特定職業の従事者等が挙げられており、対象者は、衛生署の検査を受けるか政府指定の検査期間で検査を受ける。
2.強制検査の告知・指示、命令に従わない者には2000ドル以上の罰金や禁固が課される可能性あり。
以上のように、上記の規制はまるで"戒厳令下"のような取扱いであり、こうした規制強化の発表を受けて現在では香港への渡航を諦めた方々も多数存在しています。
そしてこの新型コロナが厄介なことと言うのは、未だ特効薬のようなものが発表・市場導入されていないと言うことであり、その反動として依然として「感染者数」ベースで規制が強化されたり弱められたりされてしまっていると言うことです。
今後、何時の時点でこの問題に活路が見えるのかは誰にも分かりませんが、一つだけ確かなことと言うのは、来年の世界経済がこの新型コロナ騒動中心に動く"セカンドシーズン"になると言う可能性が大だと言うことでしょう。