2021年1月20日、アメリカで第46代大統領としてジョー・バイデン氏が就任することになりました。この就任劇は、中国との関係が非常に強い同氏の政策が今後どのような影響をアジア圏(香港、台湾そして日本)に影響を及ぼすのか早くも様々な面から不安視する声が出始めています。
何故なら昨年11月の大統領選挙での投票システムを巡る不正と言うものが、その真偽はともかく、同氏を中心とする米国民主党とディープステイト(DS)、そして中国の政治をコントロールする共産党との関連付ける情報が度々世界の世論を紛糾させるものとなっていたからです。
これに加え、オバマ政権時代に副大統領を務めたバイデン大統領本人及び同氏の息子であるハンター氏も中国との親密な関係から来る巨大なビジネス、特にアメリカのIPOに関する中国企業への便宜を行なったとも噂され、結果として今回の選挙でその恩恵を得たとの見方も存在しています。
こうして嵐の船出となったバイデン政権ですが、就任早々、精力的に大統領令を発令し、"脱トランプ"を印象付けるパフォーマンスを披露しました。事実として挙げるとコロナで問題となったWHO(世界保健機関)脱退を行なった前政権のやり方を踏襲せず、また脱退自体の取り止めであったりメキシコ国境の壁建設の停止やイスラム諸国からの入国禁止措置の撤廃など、多くをひっくり返すやり方を行っています。
こうした中で今後の米中、そしてそこから派生して出て来る香港や台湾の位置付けを考察すると全面的な対決姿勢を標榜していた前政権の逆を行うのが新政権であるのであれば、余り多くを期待ができないと言うものになる可能性があります。
換言すると、仮に"現状維持"のまま、この後の4年が推移するのであれば"不幸中の幸い"的な判断をしても良いと言うことかも知れません。
まず対香港政策ですが、バイデン政権としては中国の動きに対して米国自体が積極的に制裁をかけるようなカウンターを出すことは控える形になる可能性が濃厚です。これは上述の通り、バイデン大統領そのものが個人単位で恩恵を受けていると噂されていることから来るものではなく、前政権の反対の政策を今後導入しようとするのが新政権の慣し考えるのがベースとして存在するからに他なりません。
従ってトランプ政権時代終盤に行なったような制裁措置(中国共産党員のビザ発行期限が10年から1ヶ月に短縮、或いは、既に上場していた中国企業の資格の取り消し等)は早晩、修正や取り消しが行われる可能性が大きいと言えます。
また、中国が香港に押し付けた「国家安全維持法」に関しても新政権体制となった米国からの積極介入はなく、言い方を変えれば、"放置"に近い形になるかも知れません。そうなると香港に居住する市民や事業活動を行っている企業は何らかのアクションをより一層真剣に検討しなくてはならなくなると言えるでしょう。
では台湾や日本はどうなるのか?ですが、台湾の立場は、まさに"風前の灯火"となる可能性は大です。前政権絡みでポンペオ国務長官が台湾に関する交渉の自制を解いたと言う流れは再び中国との蜜月の時代を作りたいと考える新政権の方針とは相容れず、こちらについてもオバマ時代の関係作りを踏襲する線が濃厚となるでしょう。
日本についても中枢には中国の傀儡と言われる大臣が多々おり、可能性として今まで以上に尖閣問題や沖縄問題が真の意味での"脅威"として発展して来る可能性は否定出来ません。
最後まで"全体主義"との闘いに挑み続けたトランプ大統領が離任直前のスピーチで民衆に伝えた言葉、"我々の「不思議な旅」はまだ始まったばかり..."という下り、時を先読み出来るのであれば(その意味を知りたい)と思うのは人の感情の常でしょう。
果たしてそれを実際に知ることが出来た時、香港や台湾、日本、いや世界を取り巻く風景と言うのは一体どの様に変化しているものなのでしょうか?勿論のこと、今は新政権の"舵取り"を注視して行くことが肝要なのではありますが...。