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香港法人・オフショア法人設立お役立ち情報

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「世界標準化」ブランディングの戦略と言うものとは?

更新日:2021年09月17日

香港で生活をすると「日本」をイメージさせる製品やサービスというものは至るところに存在します。現地の生活の中でそれを見つけてみようとすると、多くは「食」、例えば高級な寿司屋であったり、(ローカル標準では"やや高い"とは言え)人気を博しているラーメンと言ったところでしょう。

また、これらに加えて(一時期、中国の旅行者を中心とした)"爆買い"ブームにすらなった日本製のオムツや粉ミルク等々・・・、このように、こと「製品」として自国をアピールをすることでは日本は(その質を全面的に打ち出せると言う利点もあるため)海外で一定の評価を得ていると言っても差し支えないでしょう。

 
ところが企業の"知名度"と言う点に視点を当てると、その名前を現地で認識出来る人々の数と言うのはかなり"限定されている"と言わざるを得ません。

 
分かり易い比較を挙げると、例えば米国のアップルや英国(現在の本拠地は現在シンガポール)のダイソンと言ったグローバル企業達は、その製品の名前もさて置きながら、企業ブランドの「プレゼンス」(=存在感)に置いては日本の企業達を圧するほどのものを持っています。

 
よく、"海外進出"を目指そうとする企業の戦略として掲げられるコンセプトの中には、"如何に現地市場と同化するか?"と言う、所謂「現地適合化」と言うスタンスがありますが、実は上述の企業達は(意外にも)積極的に行っていた訳ではありません。

 
実際はむしろその逆の概念となる「製品とサービスの標準化」を推進することで今の立ち位置を確立して来たと言えます。例えばアップルの主力製品であるiPhoneひとつ取ってもそれは明らかです。

 
何故ならiPhoneは色も形も全く世界共通のスペックを持つ製品であり、このスマートフォンを持つことが"ひとつのステイタスである"と言うイメージを創り上げることで巨大なビジネスに昇華させることに成功しました。また、ダイソンの掃除機なども、そのデザインや機能は世界共通のものとして売り出されており、掃除機における"革新性"を消費者に届けることに成功しています。

こうした姿勢と言うのは日本企業などからすると(顧客ニーズなどお構いなしで自分達の考える製品だけを押し付けて来る)と見てしまいがちになりますが、実は重要な点を見落としている可能性を含んでいます。

 
欧米企業の行うこうしたスタンスと言うのは、ブランドマーケティングを推進する企業にとってはプラスの部分が大きく、消費者間でその存在が絶対的な位置に押し上げられる=ブランド力に心酔する、と言う"群衆的サイコロジー"が人々の感情の中で湧き上がります。また、こうした形で成功する企業の多くはやはり歴史的に覇権国であった欧米に多く、例えば「ネスレ」、「パンパース」、「ラックス」、「コカコーラ」等々、彼等は何れも根幹部分を先ず「世界標準化」した上で梱包仕様や入り数、グラム数、原材料を変更し、その国々に応じて適合化させる、と言う手法を採用しています。
 

具体的に以下に述べるクライテリアをベースとしてこの「現地適合化」と「世界標準化」の比較を見て行くと、より一層その効率の度合いが一目瞭然となって見えて来ることが分かります。
 
◆現地適合化
①効率:悪い
②ノウハウ:積み上がらない
③オペレーション:応用が効かない
④ブランド:浸透しない
 
◆世界標準化
①効率:良い
②ノウハウ:積み上がる
③オペレーション:応用し易い
④ブランド:浸透する

 
こうした建てつけを一旦構築してしまうと、その後は新しい国への進出ひとつ取っても自分の土俵の延長線上でだけの勝負となる為、非常に効率的なリスクヘッジを実現することが可能になります。

 
では日本の企業は今後、どのように世界的なビジネス推進を行うべきなのでしょうか?

 
既に日本は「日本」と言う国自体に関して一種の「ブランド力」を纏わせることに成功しました。
企業の在り方としてこのブランディングから得られる「世界標準化」を自社の製品と販売に如何に結び付けて行くのか?と言うテーマに答えが見つけられれば、自ずとその先は見えて来ることでしょう。こうしたことを愚直に取り組んで行ける企業こそが"明日のアップル"を輩出する姿勢に繋がる、と言うのは果たして言い過ぎでしょうか?

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