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香港のオミクロン株感染事例から得られる考察

更新日:2021年12月09日

2021年も11月に入り、対コロナ禍という視点の中で世界は再び新たな"敵"を迎え撃つ形になっています。今回の騒乱の最初の舞台は南アフリカであり、そこから渡航して来た人間を経由する形で他の大陸に飛び火する展開になっていますが、残念ながら(既に我が国を含めて)数カ国においてその新型ウィルスによる発症事例が報告されてしまう状況となって来ました。


WHO(世界保健機関)ではこの程、この新種ウィルスの名を"オミクロン株"と命名し、デルタ株以来の高い警戒度を持って対処すべきものであるとのガイドラインを発表しています。そして、これに呼応する形で各国はすぐさまそれぞれの対策を発表→現在はその封じ込めに躍起になっているわけですが、先に感染者が発見されたテリトリーのひとつとなってしまった香港では、まだハッキリした方向性を確りと出せているような感は伝わって来ていません。


以下は香港でのその発症事例の内容(2つの事例)が一体どのようなものであったのかを解説します。


■事例1 <Case 12388>
先ず最初の事例となった<Case12388>と呼ばれる36歳の男性のケースは以下のようなものです。

11月11日にカタール経由で南アフリカから香港に来港後、香港国際空港の隣に位置するリーガルエアポート・ホテルの5112号室に通常の検疫プロセスをクリアする為の隔離を実行中でした。

そんな中で11月13日にコロナ陽性が確認され、翌14日に本格的に入院することとなった訳ですが、入院する段階では全くの無症状(感染)だったとのこと。既にこの感染者は、米国ファイザー社&独ビオンテック社が共同開発したワクチン、"Comirnaty"の接種を行い、現在は経過を観察中の状況とのことです。


■事例2 <Case 12404>
そして第二のケースとなったのは、62歳の男性です。こちらは11月10日にカナダから香港に到着し、入境後に隔離されたホテルと言うのが(上述の事例1のケースと同じく)リーガルエアポート・ホテルでした。そして、悪いことにこの男性があてがわれた部屋というのが(ケース12388)の正面となる5111号室だったとのことです。この男性の経過状況は11月12日と14日に行われたPCR検査の段階では何れも"陰性"と出ていた訳ですが、それから僅か4日後となる18日のPCR検査では"陽性"と変化しました。既にその段階ではコロナ特有の症状もあり、同日付に入院措置が取られたと言います。


上記2事例の経緯を分析した専門家筋は、このCase12388(36歳男性)がマスクをせずに(リネン交換、ゴミ出し、食事などの受け取り)宿泊室のドアを開け、その際にオミクロン株が空気中に放出されてしまったのではないかとの仮説を立てており、それをCase12404(62歳男性)がたまたま吸い込んでしまったとの可能性があると推測しています。実際のところ、インドア環境での空気感染は度々事例報告がなされている新型コロナウィルスではありますが、今回のオミクロン株は今まで以上に強力な感染力を宿していると考える向きが強く、市民はこれまで以上の警戒感を持ち、細心の注意を傾けて慎重に対応する必要がありそうです。


そして、こうした事例報告を受けた香港政府は、11月27日に配下の衛生防護中心(CHP)を通した声明の中で同日の午前0時からボツワナ、モザンビーク、ジンバブエなどを含む合計7カ国を政府指定のホテルによる21日間の隔離を強制義務化するA組指定地区(Group A Specified Places)としたと発表しました。少し拍子抜けするくらいの緩い規制ではありますが、今後の展開次第では、より強力な施策の導入も十分あり得る話であると言えるでしょう。


"対コロナ禍"については他国・他地域と比較して非常に優秀な結果を維持して来た香港ではありますが、今回の手法が果たしてどこまでその爆発的感染に歯止めを掛けられるかどうかに注目です。

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