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2021年の数字を元に、香港の2022年を占う

更新日:2022年02月14日

香港を取り巻くビジネス環境というものは、経済人やビジネスマンであれば少なからず関心があるテーマ(分野)のひとつと言えるでしょう。

毎年、日本の公的機関であるJETROは「ビジネス環境」を切り口として当地に進出を行なっている日系企業を対象に実態調査とも言えるアンケートを実施しているのをご存知でしょうか?今年1月、この回で9回目となるこの「調査アンケート」の結果がリリースされることになりましたので簡易ではありますが所見を交えてご案内しましょう。


アンケートの正式名称は「香港を取り巻くビジネス環境にかかるアンケート調査」と銘打たれており、その内容については以下のような分野に分かれて分析結果が掲載されています。


概要:
①    21年7月〜12月期のDI値(※)の総評
②    業績影響の要因(新型コロナウィルス感染症がもたらしたもの)
③    国家安全維持法に対する各企業の懸念
④    国家安全維持法+出入境制限に対する総評
⑤    業務遂行で困っている点
⑥    本社による香港の評価
(※)DI値=Diffusion Index (景気動向指数)のこと。


では、このアンケートの対象となる企業(アンケートに回答した企業)の数がどれほどのものとなったのかと言うと、それは232社から成るものであり(=有効回答と判断される内容のもの、との注釈付きです)、その内、非製造業では約半数(51.3%)が"商社・貿易・卸売"となり、製造業では"電気・電子機器"が34.2%を占有し、トップと言う結果となっています。


先ず、最初の評価軸となる①のDI値の総評ですが、昨年7月〜12月までの半年間については非製造業・製造業共に低下現象が(前回のアンケート時より)見られています。しかしながら、22年1〜6月に転じると、その見通しは製造業に関して"上昇を示した"ことに対し、非製造業については更なる下降トレンドへと突入する双方向に分かれるフォーキャストとなりました。

②の「業績影響の要因」については"改善"と答えた企業が最も挙げた項目(理由)が、何と"香港市場での売上げ拡大"であり、2番目が"中国以外の海外への輸出拡大"と答えています。もちろん、業績に対する影響が最も多かった要因は「新型コロナウィルス感染症」出会ったことは言うまでもありません。実に全体の7割近くがその項目をトップに挙げる結果となっています。


一方、中国が香港に"押し付けている"形となっている「国家安全維持法」に対する進出企業側の懸念点というものは"情報に規制がかかる恐れがある"と回答する企業が全体の7割を超えており(71.9%)、香港に対するイメージダウンという点も記述内容の中には入っていました。


しかしながら、香港政府が強行に実施をしている「出入境の制限」から来る影響に対してこれを問題視・不安視している企業の数は意外なほど少なく、6割弱の企業はこの制限に対して今は「特に影響していない」と回答している点には注目です。但し、そうは言いつつも、"業務遂行"の論点については最も苦労しているのがこの点であることも事実であり、総体的には香港でのビジネス展開について、特に日本の本社側では「悲観視している」と言う回答がトップを占める形になりました。


以上、何も興味深い結果となった今回のアンケートですが、実際、オミクロン株などの抑制が今年半期の間に実現することになれば、企業活動が活発になる可能性は大きくなると言えるでしょう。特に落ち込み具合がそれほど大きくない業界に関して言うと、早晩、その数値は(数年前のものに)戻る可能性は高くなるものと思われます。


勿論、現状は"耐える傾向"が色濃く出ている市場ではありますが、これは(香港だけでなく)各国が同様のポジションであり、そこからの"反動"をどのように演出出来るかに各事業者の手腕が求められるものになると思われます。経済合理性については非常に高い潜在能力を有する香港であれば、2022年がV字回復を実現する年となってもおかしくはありません。

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