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キーワードで語る現在のタックスヘイブン対策税制

更新日:2022年06月10日

当Blogでも今まで何度も取り上げさせて頂いているこの「タックスヘイブン対策税制」。

この制度は、香港のような軽課税地域に進出する企業にとってはビジネスを展開する上でにひとつの大きなポイントと考えられています。しかしながら、そうした重要度を認識をする企業は数多くあるにも関わらず、どう言う訳かその内容への理解度と言う点に置いては驚くほど"浅い"と言うのも事実です。実際のところ、日本国内で"お抱え"の税理士にこうした事を質問として投げ掛けたとしても、国内税務だけを守備範囲とする一般的な税理士ではこの税制に関わる分野で発生する問題点を解決に導いてくれる事務所は極僅かしかなく、こうした事が遠因となって結果的に企業がその後大きなペナルティー(罰金=追徴課税)被る形で決着する事例が今までも多々発生して来ました。

このタックスヘイブン対策税制と言うものは、大意を言うと、"外国子会社を利用する事で租税回避を行おうとする企業に対処するため、その所得をその株主である国内の親会社の所得と見なして合算し日本国内で課税を行う制度"、の事です。

最近では国税局が行った2017年税制改正により、対象となる海外子会社や課税対象となる範囲が拡大されることになった為、企業はその判定に係る事務負担や課税リスクが増大する事になっているので税制度に合わせた形で対処を行う必要が今後はより一層現実的になる事でしょう。

さて、そこで今回ご案内する内容と言うのはこのタックスヘイブン対策税制と言う仕組みをより明確に理解する為の「キーワード」となります。これらを知識として補充をして置くことによって日本の税制の基本を押さえ、今後の企業税務対策立案の為にご活用ください。

【主なキーワードとその内容】
①       外国関係会社→内国法人等が議決権等の50%超を支配する外国法人のこと
②       租税負担割合→外交関係会社の所得に対して課される租税割合(一定の調整計算あり)
③       ペーパーカンパニー→以下に挙げる何れにも該当しない外国関係会社のことをいいます。
1、      実体基準
事業に必要な事務所、店舗、工場その他の固定施設を有している事
2、      管理支配基準
本店所在地国においてその事業の管理、支配及び運営を自らが行っている事

④       キャッシュボックス※新条項
配当、利子、使用料等の所得が総資産額の30%を超えており、かつ、有価証券・貸付金・無形固定資産等の帳簿残高が総資産額の50%を超えるもの等
⑤       ブラックリスト国(地域含む) ※新条項
財務大臣が告示(現在は具体的には告示されていません)
⑥       経済活動基準
1、      事業基準→ 主たる事業が株式の保有、無形資産の提供、船舶・航空機リース等でないこと
2、      実体基準→ 本店所在地国においてその主たる事業を行う必要と認められる事務所、店舗、工場その他の固定施設を有していること
3、      所在地国基準→ 主として本店所在地国で事業を行っていること(下記の非関連者基準が適用される業種以外の業種に適用)
4、      非関連者基準→ 主として関連者以外の者と取引を行っていること(卸売業、銀行、保険業など8業種に適用)
⑦       特定所得
1.配当等、2.利子等、3.有価証券の貸付の対価、4.有価証券の譲渡損益、5.その他の金融所得、6.有形固定資産の貸付けの対価、7.無形資産等の使用料ほか

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