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香港も日本と同じ運命を辿る(!?)、"人口減"という新しい課題

更新日:2022年09月23日

香港政府統計局が先月(8月)の11日、この一年における人口動向について発表をしました。結論から言うと香港は"人口減"というトレンドが続いているというもののようです。

具体的にその発表された数字を見て行くと、昨年の7月1日から今年の6月30日までの間で香港の総人口と言うのが729万人であり、これは前年度統計の数字(740万人)と比較した場合、約12万人弱の減少が見られました。また、減少率についてはマイナス1.6%となり、これも前回の率(マイナス1.2%を記録)と比較すると減少幅が拡大していることが見て取れることになります。


ではこの減少を政府などの当局が"如何に定義をするのか?"と言うことに注目が集まる訳ですが、今回の人口減についての理由は以下にも述べる2つの理由から発生したとのことです。先ず一つ目と言うのは当地の人口構成というものが高齢化に向かっているという背景があり、その結果、この1年間での死亡者数が出生者数を上回った為とのことです。

所謂、"自然現象"のひとつであると言うことを強調したい訳です。では二つ目の理由と言うのは何でしょうか?実はこれが今回のBlogの肝の部分になるのですが、政府発表によると香港市民の海外転居が減少者数を後押ししてしまった要因とのことです。


より具体的な詳細は以下の通りになっています。


先ず、死亡/出生に関する結果では今回の1年間(2021年7月1日〜2022年6月30日)で死亡者数のカウントです。具体的には、この1年間の死亡者数が61,600人だったのに対して出生者数が35,100人であり、その結果、26,500人の減少が記録されることになりました。

実際の話、香港の年間での出生者の総数と言うのは2016年7月〜2017年6月までの間が59,500人だった訳ですが、2019年7月〜2020年6月では49,500人へと減少(▲17%)、今回の発表された数字は更にそれを下回る数字(35,100名)であり、この2年で何と29%も減少してしまったと言うことなのです。


そして、これにプラスされるのが二つ目の要因である"転居"となります。香港人で"転居"と言うと、それはまさに海外への転居、即ち"移民"と表現しても間違いではありません。1997年の中国への返還前には英国やカナダ、またオーストラリアと言った欧米諸国を中心とした"転居"が一種のブームにもなりましたし、今回は(当Blogでも何度も取り上げている)「国家安全維持法」施行による彼等への心理的な影響が遠因となってしまったのでしょうか(?)、実にこの1年で113,000名が香港を後にしたとのことです。


この動きに拍車をかける形になったのは、香港の宗主国であった英国が設定したBNO(イギリス海外市民)パスポート制度であり、当初想定されていた移民数の水準には届かずとも、それでも市民の間に大きなインパクトを与えたことは間違いありません。勿論、中国との関係を重視する一部の層や、経済的なことが理由となって香港から移民することが出来ない層も居るには違いありませんが、総じて言えることと言うのは香港の人口は今後も下降線を描く可能性は決して"小さくない"と言えるでしょう。


以上、このような数字をベースとして考えて行くと、香港の「将来」と言うのは(テスラのイーロン・マスク氏が予見した)日本の「将来」それと"極似している"と言う見方を取っても間違いではなく、故にこの問題については、緊急の度合いにもよりますが、一国家(香港:一自治政府)として対応する必要がある筈です。但し、香港の場合は中国政府の思惑次第になる可能性が強いのは事実であり、場合によっては中身が"すっかり変わってしまった"状態(香港人→海外移民、中国人→香港移住)なることが一般的と解釈される状況が10年内に来るかも知れません。


香港でありながら、香港でないと言う状況、貴方ならどう占いますか?

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