1. TOP »
  2. 法人設立お役立ち情報 »
  3. 香港 »
  4. 香港税務

香港法人・オフショア法人設立お役立ち情報

香港 > 税務

香港活用を"最大化"するには、当地の特色をまんべんなく網羅するプロセスが必須

更新日:2022年10月03日

2022年も早9ヶ月が経過しました。ここ数年、世界中を席巻して来た一連の新型コロナ感染症騒動も、各国がその実体を把握することによって一つ一つの改善が行われ(各々の国々の施策は異なれど)、ようやく一定の落ち着きを見せつつあります。香港も年末にかけて今までの"制約"を一気に撤廃する可能性が報じられており、場合によっては年内に日本との行き来についても自由に出来ることになるかも知れません。

さて、このように事態が一変して行くことになると、次にオープンになって行くのは「ビジネス」であることに異論の余地はないことでしょう。香港は依然として競争力を維持しているのは事実であり(例:世界競争力ランキング2022では世界5位)そんな状況の中でこれからのビジネスの展開を俯瞰して行った場合、当地の競争力の源泉となるさまざまなメリットに関する理解の度合いというのは企業にとって致命傷にすらなり得る可能性を帯びています。そこで、改めて当地の持つさまざまなメリットをご案内することで"ポスト・パンデミック"での躍進の糧としてお役立て頂ければ幸いです。


【香港の持つさまざまなメリット】
1.法人税
香港の香港の法人税は税率が16.5%と周辺諸国の中で最も低いものです。実効税率ではそれより更に低い税率(→税額)になるものと考えられており、企業はこれを利用しない手はございません。

又この法人税率の掛かり方も独特で、低所得部分については軽減税率(最初の200万香港ドル部分は従来の16.5%の半分である8.25%!)が適用なることや、課税所得の範囲についても香港外に源泉がある所得を非課税としていること、又、優遇税制の適用を受けられる場合もあることなどから、(日本や周辺諸国に比べて)税負担自体が著しく低くなる可能性を含んでいる点は大きなメリットとして認識されても良いことです。

実際にアジア周辺諸国の法人税率を比較した場合、香港はライバルと考えられているシンガポール(17%)や 台湾(20%)、又、メコン地域として注目を浴びているテリトリー諸国であるベトナム、タイ、インドネシア、マレーシア(何れも20%)に対しても優位性を保っているのは事実であり、進出してこうした点を熟知する企業などは奮ってこのメリットを享受しようと取り組んでいます。


2.キャピタルゲイン非課税
香港では基本的にキャピタルゲインは非課税となります。したがって、仮に香港に設置した地域統括拠点が傘下の事業会社の株式を譲渡したとしても、香港側に関しては税負担義務と言う概念は発生せず非課税扱いとなります(尚、事業会社所在地国については課税となる可能性があることには注意が必要です)。このキャピタルゲインと言うのは個人の扱いも同様であり、日本のように利益に対して20%の源泉税が掛かると言うようなこともございません。


3.租税条約
香港は、日本を含む多くの国、地域と租税協定を締結しています。ここにはASEAN諸国(ミャンマー、フィリピンを除く)が含まれるほか、日本、中国、韓国、インドなどアジアの主要国は概ねカバーされています。租税条約上の恩恵とは締約相手国における税金の免除・軽減処置を享受出来ると言う点に集約されます。

一例をあげると各国に所在する事業子会社があるとし場合、そこからの配当・利子・使用料と言う形で利益を吸い上げるようなケースが発生した場合、通常の考え方としては、当該各国において源泉税の負担義務が生じることが一般的となりますが、ここでもし租税協定が締結されている場合は源泉税が減免されるといった恩恵を享受することができるのです。


以上、今回は香港登用の際のメリット(税制面)の一部をご案内させて頂きました。次はそれを含めた点のご案内の継続、又、その他の項目(例:立地面等)を含んだ形でのさまざまな利点のご紹介して参ります。


いよいよこの段になって各国のポスト・コロナの方針が明確になって来ています。香港も政府が(まだ正式ではありませんが)ゼロ・コロナを標榜することでタイトにコントロールしていたコロナ禍策を撤廃する方向で検討しているとも言われており、そうなるとこの2年強の空白の時間を埋めるための躍進が多くの面でなされて行くことになるのは明らかです。

そして、こうした中で筆頭に来る項目は言うまでもなく「ビジネス」となります。それまで多くの面(例:渡航や隔離など)で制限が掛かっていた状況が多くの面で撤廃となる訳ですから開港後はそれまで鬱積していたプロジェクト類や新しいビジネスの形などがより良い形で融合することで、これまでになかったような爆発的なムーブメントが発生して来るのが期待されます。


さて、そうした環境の変化を目前に控えた現在の状況を踏まえ、本稿では(前稿での流れを受ける形で)香港のメリットと言うものを改めて整理することでコロナ禍以降にこの地をベースとしてビジネスを展開する企業様にそれらをお役立て頂くよう、以下の有益な情報をまとめて見ました。


是非、これを機としてご活用ください。


先ず、前稿では①法人税、②キャピタルゲイン非課税、そして③租税条約の3点に触れて来ました。それを受けた流れとして今回は④軽減税率、⑤国外所得免除、⑥配当金、⑦ロイヤルティー、⑧立地条件、と言う5つの観点から香港のメリットと言うものをご案内してく行くことにしましょう。


1.軽減税率
香港政府はアジアで最も低い税率を導入して久しい地域ですが、これをより促進・強調することで一層の進出やキャッシュフローを活発化させることを目的とした軽減税率の導入の決定を行っています。それは従来から設定されている16.5%の課税対象利益への税率を、更に一歩踏み込んだものであり、それは最初の200万香港ドルまでの利益に対して"半額(16.5%→8.25%)にする"と言うものとなっています。


2.国外所得免除
香港では基本的に、香港を源泉とする所得のみが課税対象です。これを「国外所得免除方式」と呼んでおり、この点においては、全世界所得を課税対象とする日本や米国等と比較しても圧倒的優位点であることは間違いありません。換言すると香港外で稼得した所得に対しては、それを例え香港に送金したとした場合でも当地で課税される事がないと言うことです。


3.配当金
香港では配当金に対する課税項目が存在しません。つまり非課税となると言うことです。


4.ロイヤルティー
事業子会社からロイヤリティー収入・マネージメントフィー収入を得る場合、扱いとしては事業子会社で損金になる一方で、受取側では益金になる為、ここで発生する税率を上手く利用することで企業グループ間全体での税負担率(額)を軽減することが可能となります。また事業子会社上側で生じる源泉税についても同様の扱いになります。ちなみに香港ではロイヤリティー収入に掛かる課税率と言うのが従来の法人税率である16.5%ではなく、その7割がカットされる4.95%となっています。


5.立地
香港は立地的にも非常に有益な場所に位置しています。例えば、この地を起点として"周囲5時間以内"と言う条件で円を描いた場合、飛行機で東京、上海、北京、ソウル、シンガポール、クアラルンプール、ハノイ等と言った各国主要都市に到達することが可能であり、「利便性」と言う観点からも他国の追従を許しません。こうしたこともあり、香港での現地法人はその性格上、統括拠点と言う位置付けである企業が多いこともその特色を反映したものであると言えるでしょう。

▲ページのTOPへ

スマホサイトを表示