2回目となる今回も香港の魅力を伝えて行くことになりますが、ここで改めて強調するのは香港がアジアだけでなく、世界水準からでも多くの富裕層を輩出していると言う点です。その秘訣は香港人が無類のビジネス好きである点もありますが、その市民性を充分刺激するに足るであろう世界最大の市場(中国)を抱えていると言うことや、世界でも最先端の金融システムを導入していると言った点、またそうしたことを"下支えする"有能な人材達の宝庫であると言う特色も挙げられます。
以下は前回同様の形式で、質疑応答の形をとり、こうした香港の特色をご案内して参ります。
カテゴリー:法人
【質問】
中国でのビジネスを展開したいと考えているのですが、巷では(それを行うならば、先ず香港に進出した方が良いよ)とのアドバイスを良く受けます。ぼんやりとですが、香港から中国のアプローチをすることで事業活動の全体を俯瞰するのはロケーションからやり易いとは思うのですが、それ以外に関すると具体的にどう言う点にメリットがあるのか?と言うことがまだ分かっていません。その点については如何でしょうか?
【回答】
ご存知の通り、香港は既に中国に組み戻されてから25年が経過しました。その中で香港は(一国二制度と言う特殊環境を利用することで)中国とのコラボレーションをどんどんと具体化させて行ったことは明白な動きのひとつであったと言う点があります。特に2000年初頭からは様々な"特典"を享受することが可能となり、中国のWTO加盟なども後押しする中でCEPA(中国香港貿易緊密化協定)の制定が決定的な成功要因を創出したのは明らかなことです。
中国でビジネスをする際に香港に事務所を事前に設置することの意義(メリット)と言うのは、このCEPAのルールの中であれば、中国会社(香港会社が親で在中国の会社が子と言う資本の繋がりが必要)が業績を上げることで算出される配当金がそれ以外の形態(例えば香港を絡めないケース→"日本親会社&中国子会社")での配当源泉徴収の割合が半分になると言う点です。また、仮に中国子会社が訴訟に巻き込まれるような場合であっても、その時には香港の親会社が"水際対策上"の最終地点となることが可能であり、日本の親会社をプロテクトする構造を作ることも可能となる点も見逃せないでしょう。
カテゴリー:個人
【質問】
香港は日本などと較べるとコロナなどで落ち込んだ所得の補填のために生活給付金を振る舞っていると聞いたことがありますが、水準的には一体どの程度のものなのでしょうか?
【回答】
最近の政府筋の発表に触れて参りますと香港政府はこうした所得の落ち込みに際して積極的な財政支援を給付金として支給を行う決定を行っています。実際のところ、その額は(日本などの水準と比較すると)かなりの額になり、それも今年(2022年)で3年連続と言う有難い状況が続いています。その額はHKD10,000(現在の邦貨価値:約18万円)であり、香港政府は664億ドルの予算を作成しているとの発表を財政長官は発表しました。
支給自体は2回に分けて行われ、その第一弾が4月、そして第二弾が2022年6月13日以前の時点で18歳以上且つ永久居民或いは居住資格者であることが条件(2019年6月18日〜2022年6月12日まで継続して香港を離れた者は対象外)であり、これを満たす者への支払いが行われました。各々の額はHKD10,000の半分に相当するHKD5,000となっています。
このように、香港はビジネス面での有利な点や生活給付金などの充実と言った面を積極的且つ迅速に行う術はお手のものであり、それがこのテリトリーの"風通しの良さ"に繋がっていると言えるでしょう。前回と今回の2回のBlogは当地のこうした面での便利さをご案内しましたが、今後も折につけてこうした面に関する日本などとの違いについて触れて行くことにします。