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突如方針変更を発表した香港の人材事情とは?

更新日:2022年11月10日

各国が新型コロナウィルス感染症に関する方針を緩和する形に舵取りをし始めている中、「ゼロコロナ」を掲げている中国を先んじる形で香港がその"一歩"を踏み出すことにしました。巷では年内には全面的な撤廃のための準備を行っているとも噂されていますが、こうした方向に踏み出す決断をした背景というのはやはり大きな意味での経済的な影響があるようです。


今回の具体的な変更内容というのは以下の通りとなっています。

◉日本を含む海外からの入境者に対する要件
・渡航前(出発予定時刻)24時間以内に実施した迅速抗原検査の陰性結果を衛生上のオンラインサイトに登録(従前は渡航前48時間以内に実施したPCR検査の陰性証明が必要とされていた)。

・香港在住者(香港IDまたは長期滞在査証を保持する者)に限り、搭乗前のワクチン接種完了要件を撤廃。

・航空到着時にはPCR検査を受検。ただし、空港内で検査結果を待つ必要はなく、公共交通機関等にて自宅や一般のホテルへの移動が可能。

・到着日を0日目として、0日目(上述の空港到着時の受検)、2日目、4日目、6日目にPCR検査を受検。また1日目から7日目まで毎日、迅速抗原検査を実施。


なお、3日間の健康観察期間中は、ワクチンパスで黄色のQRコードが表示される。表示が黄色の間は、公共交通機関の利用、出勤、ショッピングモールや百貨店、市場等への出入りは可能だが、飲食店、フィットネスセンター、美容院等に立ち入ることができない。


◉中国本土及びマカオからの入境者に対する要件
・事前の申請、入境前のPCR検査を廃止。
・入境後の自宅等での隔離措置を撤廃し、入境後3日目までを自己観察期間とする。
・入境後2日目にPCR検査を受検。

以上が発表された変更内容であったわけですが、香港がこの変更(緩和)を行うことになったのは、やはり人材流出の問題が徐々に顕在化しつつあることがその理由ではないかと囁かれています。何故ならこのパンデミックが発症以来、市民と在留外国人の流出に歯止めが中々掛からず、特に今年の6月末までの1年間ではその数が一層顕著になっていると言う統計も出ています。

他方(金融において)香港のライバルとされるシンガポールは同時期に大きな人口増加を記録しているとのことであり、そうしたことを考えるとアジア一の国際金融センターとして名を馳せていた香港にとっては(この傾向が続くとなると)シンガポールにその地位を取って代わられると言う事態が発生してもおかしくありません。


それ以外でも世界トップ100の大学卒業生や高額年収を得るものに対する期間2年の特別ビザ制度の発行や永久居民(永住権獲得者)に対する印紙税の払い戻し、更にはビザ更新の手続きの簡略化と言った各種措置を発表するなど香港政府は躍起になっているわけですが、果たしてこうした策が今後の人材流出の歯止めの策となるのかどうかが今は注目の的です。


何れにしても、李政権がどのように対処して行くのかを見て行くことにしましょう

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