新型コロナウィルスが世界中を席巻してから3年の月日が経過しました。近代史の中でもここまで混乱し、また我々の日常生活を一変したこの一大騒動もようやく最近になって落ち着いて来たようです。何故なら世界の国々の多くはこのウィルスの素性を見切り始め、また基本的スタンスとして完全なる封じ込めを諦め、共生を模索する方向の施策を導入することで一定の成果を納めることが可能となりました。
一方でこのコロナ政策で最大級のシフト、所謂「ゼロ・コロナ」政策を率先して導入して来た中国は、逆に最近ではこの施作の制度疲労(?)の兆候を見せ始め、その反動として国内で何と民衆が習近平国家主席を名指しで批判、大掛かりなデモ活動にまで発展すると言う事態だ起こっています。
そんな中で香港は(今年の初めに発生した爆発的感染期を除くと)比較的安定した状況を実現して来ています。また、徐々にではありますが、コロナ禍対策の緩和を試みているところも注目に値する点と言えるでしょう。
今回のBlogでは、年の瀬となる12月の中旬(14日午前0時からスタート)から新たに改訂が行われることとなった香港のコロナ禍最新対策の内容5項目について、先ずはご案内させて頂きたいと思います。
<改訂5項目>
1、LeaveHomeSafe(安心出行)アプリ
これまでは指定施設に入場する際、このLeaveHomeSafe(安心出行)アプリで施設のQRコードをスキャンする必要がありましたが、同要件が解除されることになりました。しかしながら、ワクチンパスの要件自体は変更なしの為、ワクチンパスが適用される施設に入場する場合には、ワクチンパスQRコードを提示する必要があります。ワクチンパスQRコードを提示する方法はLeaveHomeSafe(安心出行)アプリ、iAM Smartアプリ、紙媒体又はスクリーンショットとなります。
2、黄色コード
海外又は台湾からの入境者について、ワクチンパスに基づく黄色コードの取り決めが解除され、飲食店等への入場が可能になります。但し、香港到着時に空港に於いて核酸検査を受検し、空港を出た後は自分の住居に直接移動し、検査結果が陰性であることを確認してから外出する必要があります。又、入境1日目(入境日を0日目としてカウント)から5日までは毎日迅速公言検査を実施し、入境2日目には地区検査センター等において核酸検査を受検する必要があります。
3、中国本土に渡航する際の核酸検査について
香港から中国本土に渡航する際、コントロールポイント(空路及び陸路)に於いて追加の核酸検査を受検する必要がなくなりました。但し、搭乗前48時間以内の核酸検査の陰性証明書については、引き続き取得が求められることになります。又、海外又は台湾から香港経由で中国本土又はマカオに入国する際、黄色コードが青色コードに変更されるまで香港に留まる必要がありましたが、黄色コードの取り決めが解除されたことに伴い、同要件も解除されることになります。
4、定期核酸検査の縮小
定期的に核酸検査を受検する必要がある対象グループが縮小され、空港職員や隔離施設職員等について、核酸検査を定期的に受検する必要がなくなりました。又、住居を対象とした強制検査についても、徐々に縮小の予定とのことです。
5、自宅隔離者に対する電子リストバンド
自宅隔離者に対する電子リストバンドの配布は廃止となります。但し、自宅隔離中の感染者や濃厚接触者への感染症対策キットの配布は引き続き実施されることになります。
以上、香港の新しい防疫措置5項目を案内させて頂きました。
中国本土が"迷走"している背景もある中、先ず香港が"先鞭を切る"形で今までの「ゼロ・コロナ」政策とは一線を画す政策を独自に発表・導入したのはこの地域が多くの意味に於いて"実験台"の場所と自他ともに認識して(されて)いる所以というところです。
ここの結果を検証して行く過程で本土での今後の舵取りに利用する思惑が中央にあるのは間違いなく、香港の状況の変化が今後の中国のコロナ禍対策の鍵を握ってこととなると言っても強ち間違いでは無いと言えることではないでしょうか。