1. TOP »
  2. 法人設立お役立ち情報 »
  3. 香港 »
  4. 香港一般

香港法人・オフショア法人設立お役立ち情報

香港 > 一般

コロナ明け宣言後にどのような動きが起こるものなのか?JETRO資料から見る2023年の香港ビジネスについて(2)

更新日:2023年03月16日

前回の記事はこちら

香港に限らず主要な国々に進出を行うに当たっては、事前に用意周到な情報を獲得した上で検討の土壌に挙げることが必要です。そんな中で手堅い情報ソースとして多くのビジネスマンの頭に思い浮かぶ先と言うのは政府機関の一つである日本貿易振興機構(JETRO)となるでしょう。

前回と繰り返しになりますが、ここで取得出来る情報と言うのは企業にとって有益なものであるのは間違いなく、また当機関が提供する資料やコンサルの場を存分に利用することが出来れば、獲得した情報価値の"最大化"を自分のビジネスに反映させることも可能でしょう。

 

今回のBlogでは、前回からの流れに続く形でJETRO作成のアンケート調査(名称:『香港を取り巻くビジネス環境にかかるアンケート調査』)の内容を読み解くことでそのレポートがどのような視点で香港市場を切り込んでいるのかをご案内して参ります。

 

今一度、その調査報告レポートの内容をご紹介し、Ⅱ以降の項目について(Iは前回で解説済み)弊社所見を交えた形で解説を行い、調査内容の妥当性を判断して行くこととしましょう。

レポート題名:『香港を取り巻くビジネス環境にかかるアンケート調査』
Ⅰ  業績動向
Ⅱ 香港国家安全維持法の影響
Ⅲ 香港のビジネス環境評価
Ⅳ 人材流出
Ⅴ  新型コロナウィルス政策
Ⅵ 本社の香港評価
Ⅶ 意見・要望


Ⅱ 香港国家安全維持法の影響
回答企業の4割強(40.7%)がこの香港国家安全維持法について懸念を表明しています(「大いに懸念している」が5.9%、「懸念している」が34.8%)。また実ビジネス面でも19%の企業が"マイナス影響が生じている"と回答(前回は17.1%)をしてはいますが、逆に「影響は生じていない」とする企業の数は増加する(今回:62.1% vs 前回:57.3%)と言う奇妙な兆候が現れることになりました。これは各ビジネスセクターによってこの法案に対する見方が異なると言うことを表しているのかも知れません。


Ⅲ 香港のビジネス環境評価
こちらについてはその多く(回答者の62.8%)が"これまでと変わらない"と返答。しかしながら、規模縮小や撤退と言ったものがやや上昇している点が気になります。これはⅡの香港国家安全維持法適用の生み出す"負の影響"が未だ当地の市場に色濃く残っていることが伺えます。


Ⅳ 人材流出
過去1年の間に「人材の流出があった」と回答した企業が、調査対象として回答して頂いた企業の半数以上(56.3%)に上ったことが数字に現れることになりました。また流出をした企業が代替人員の確保が出来たかどうかの問いに対しては「できなかった」または「募集中」と返答した企業が3分の1以上(38.1%)とのことであり、特に不足している人材はIT関連人員や営業職とのことです。


Ⅴ 新型コロナウィルス政策
こちらについてはむしろ次回の調査結果の方が気にな理ますが、今回の回答傾向としては14.7%の企業が「マイナスの影響が生じている」との見方を行なっています。意見として目を惹くのは"政策移行の遅れによる香港の魅力低減"や"渡航費用の高騰"などがあり、これはまだまだ調査対象となる前期(22年7月〜12月まで)の時点では、人々の間に"経済が戻って来ている"と言う実感が薄かったと言うことに帰結していると判断しても良さそうです。


Ⅵ 本社の香港評価
こちらについては香港の現状への理解度が格段に改善していることが見て取れます。「香港の実情を正確に把握している」との問いに対して肯定した企業は全体の32.5%にまで上昇しました(前回は25.4%)。またその理由の基となる情報取りについても比較的に冷静なポジションで捉えており(「日本国内での報道が悲観的過ぎる」)、今後、当地キャンペーンが成功を果たせば本社の香港評価は更なる改善を期待出来そうです。


Ⅶ 意見・要望
この部分で注目する部分と言うのは"香港政府に期待すること"と言う欄です。こここそまさに生の企業の声が反映されるところであり、その中には"雇用助成金など企業支援策の継続、および分かりやすい情報発信"であるとか、"外資に対する魅力ある景気刺激策やその他経済政策の継続"、そして象徴的なものでは"一国二制度の堅持"が寄せられていました。


何れにしてもフラットな視点で提供される情報が"売り"となるJETRO調査。

こうした段階を経た上で、次は(具体的な実務上の対応を行う)専門家などを登用をして行く事で多くのビジネスが"地に足をつけた"ものとなって行くことでしょう。

▲ページのTOPへ

スマホサイトを表示