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香港が"香港らしくなる"機会がようやく訪れる?

更新日:2023年03月02日

ようやく香港も正式に新型コロナウィルス感染症の陰からの"脱出"を宣言する段階に漕ぎ着けることが出来たようです。2023年2月2日香港特別行政区政府の李家超(John Lee)行政長官は、香港が(それまで各種の"制限"が存在していた)中国本土や他の世界の国々との往来において、その全てが"正常化した"と香港観光振興プロモーション「HelloHongKong」のイベントにて宣言を行いました。


この3年もの間、終わって見れば(それほど長くはなかった...)と振り返る層もあるかも知れないとは言え、香港の観光業に関わる企業や人々にとってはこの新型コロナウィルス感染症が巻き起こした数々の辛酸を、まさに"骨の髄から"舐め尽くして来たと言えるものだったことでしょう。

実際にこの時期、自分たちの政府によって市民は移動自体が根本的に封じ込まれたのですから(それらを"飯の種"にしていた方々にとっては)堪ったものではなかったはずです。実際のところ、あまりに厳しい規制ゆえ事業そのものを畳んでしまう会社も数知れず存在しましたし、市民の我慢と言うのも限界値を彷徨う状況ではあったのは事実です。


数値的にもそれらが如何に大変だったのかと言うのが容易に見て取ることが出来ます。


一例を挙げると香港政府観光局のデータでは、コロナ禍前の2019年に香港を訪れた旅行客数は延べ5,591万人とのことでしたが、その後発生したコロナの影響によりそれから2年後の2021年にはその数が何と9万1,000人にまで激減してしまいました。最盛期と比較して実に99.8%減と言う惨状になると正直言って何もやりようがないと言う状況に等しくこの間の観光業と言うのはまさに"死の淵に瀕していた"と言っても良かったと言えます。

そして昨年、政府は(徐々に改善を見せていた)コロナ禍に対する状況を鑑みた上で8月から導入した水際対策が功を奏したこともあり、22年の着地が約60万5000人(前年度比:664.8%)にまで回復、そしてこれが今回の全面回復へとステップへと歩を進める強い動機へと繋がって来たのです。


では実際に観光促進を行う為のプランを形成するのはどのようなものなのでしょう?


具体的なものと言うのは大きく分けて2つあります。

それは(1) 50万枚の香港行き無料航空券の配布、そして(2)レストランやバーでの優待サービスが得られる100万枚以上のクーポン券発行です。


特に(1)の無料航空券は3月1日から香港の主要航空会社3社から配布されることになっており、公開されたスケジュール上ではそれら無料航空券は3月において東南アジアでスタート、4月からは香港観光業の主要売上を産む中国本土での配布、そして5月からは日本を含む北東アジア及びその他の地域での配布となるとのことです。またこれらインバウンド後の配布がひと段落する頃となる7月からは。今度はアウトバウンド用の同様措置を導入して行く予定とのことです。


以上、香港は金融面やビジネスハブと言う面で常に強力な国際的評価を受けて来た土地柄ではありましたが、ここに来てようやくもう"一本の柱"であった観光業に目処が立って来ました。こうした形で官民協力が機能し始めて来ることになる2023年の展望は"V字回復"を実現することになるのは確実と言っても良いものでしょう。

"中国化"して久しいと指摘される面が色濃くあるとは言え、やはりもともと強みとして持てていた自由港である面は香港の大きな魅力の一つであることは間違いなく、2023年を終えた時の上昇具合と言うのは大きな注目を集めるものとなる筈です。何故ならそれは、香港が"香港らしく"一年を終えることの準備がようやく終わったと言うことを意味することになるのですから。

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