香港の歴史は、現在の中国をはじめとするさまざまな統治者による変遷を通じて形成されてきました。香港の歴史について問われると、一般の人々は最近の出来事について語ることが多いでしょう。たとえば、香港のデモや英国から中国への返還などです。確かにこれらの出来事は香港にとって重要ですが、香港の歴史はさらに広く、深いものであることは想像に難くありません。
今回は香港の歴史を、統治者とその施策に焦点を当てて紹介していきましょう。
<統治者①:英国>
香港の歴史を語る上で、英国は非常に重要な存在です。アヘン戦争をきっかけに対中貿易が増えたことで、中国の抵抗を押し切り、南京条約によって香港をイギリスに割譲させることに成功しました。イギリスは香港を対中国の戦略拠点と位置づけ、また香港でイギリス国内と同様の生活環境を整備しました。この施策は香港の発展に大きな影響を与えたのです。
<統治者②:清朝>
清朝の最盛期は17〜18世紀でしたが、19世紀には力が衰え始めました。イギリスによる香港への侵略や複数の戦闘に敗北したことで、香港を拠点とする知識人や革命家が辛亥革命を起こし、清朝は滅亡を迎えました。
<統治者③:日本>
第二次世界大戦時には、日本が香港の啓徳空港を攻撃し、香港を占領しました。この占領期間は約3年8ヵ月にわたりました。
<統治者④:中国>
第二次世界大戦後、中国が戦勝国となり、イギリスに対して香港の返還を要求しました。イギリスが拒否すると一時は内戦状態になりましたが、最終的に中国共産党が勝利し、香港の主権を奪還しました。しかし、中国は香港の機能を西側世界への窓口として活用し、西側のノウハウの吸収や巨大資本の投資対象市場として発展させるため、イギリスに確約(一国二制度)を行いました。
しかし、2020年に中国が香港に対して「国家安全維持法」を制定し、主権を確固たるものとすることを宣言しました。
以上、統治者ごとの動きを要約して香港の歴史を紹介しました。今後、どのように統治者が政策を展開していくのかは不透明ですが、これまでの変遷を考えると、再び抜本的な変化が起こる可能性もあります。香港は自らの歴史を通じて変化し続けてきた証です。これにより、このブログの結論といたします。