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教育こそ最重要!幼児から叩き込まれる(?)、香港の整備された教育システムとは?

更新日:2024年06月28日

歴史的に見ても、資源等に恵まれていない国やテリトリーが生き残って行こうと決意した場合、そのコミュニティーを上昇気流に乗せるような、そんな「牽引的」な要素となり得るのはやはりその地域の擁する人材の優秀さに帰属することになるでしょう。

そして、そのような観点で香港を評価しようとした場合、私達は改めて、その構造が非常に強いものである事に驚かされる筈です。

以下は様々な視点から教育の"スタート地点"とも言える当地の「幼児教育」について、その現状、特徴、また課題と改善点、更には将来の展望と言った項目でご紹介する事にします。

1. 香港の幼児教育の現状
香港の幼児教育は、主に3歳から6歳の子どもを対象とし、幼稚園(Kindergarten)および保育園(Nursery School)で提供されます。幼稚園は3年間の課程を持ち、K1(3歳)、K2(4歳)、K3(5歳)の3段階に分かれています。保育園は2歳から3歳までの子どもを対象とし、幼稚園への準備段階と位置付けられています。

香港の幼児教育は、政府支援を受ける公立幼稚園と私立幼稚園の二つに大別されます。公立幼稚園は、政府の「幼稚園教育無料計画(Free Quality Kindergarten Education Scheme)」により、授業料の一部または全額が補助されます。一方、私立幼稚園は独自のカリキュラムと教育方針を持ち、高い授業料を徴収することが一般的です。


2.幼児教育の特徴
香港は国際的な都市であり、中国語(広東語)と英語のバイリンガル教育が一般的です。多くの幼稚園では、両言語での教育が行われ、子どもたちは幼少期から二言語を習得します。この環境は、子どもたちの言語能力だけでなく、文化的な理解や国際的な視野の拡大にも寄与しています。

更に香港の幼児教育は、多様なカリキュラムと教育アプローチが特徴です。モンテッソーリ教育、レッジョ・エミリア教育、国際バカロレア(IB)プログラムなど、さまざまな教育法が取り入れられ、これにより子どもたちは個々の興味や才能に応じた学びの機会を得ることができます。

また、子供を支える親の教育への関与が非常に重視されている事も大きな特徴と言えるでしょう。

多くの幼稚園では、親が参加できるワークショップやイベントが定期的に開催されており、家庭と学校の連携が随時図られています。親の積極的な関与は、子どもたちの学習意欲を高めるとともに、当地での教育の質を更に向上させる重要な要素となっています。

3.課題と改善点
香港の幼児教育には、早期からの"競争"が存在しています。例えば幼稚園入学試験や面接が一般的でありますし、名門幼稚園への入学などは非常に競争が激しいものとなります。この競争は、子どもたちやその親にとって大きなストレスを与えているのは間違いなく、ひとつの社会問題となっているのも事実と言えます。

また、公立と私立の幼稚園間での資源の不均衡も大きな課題となっています。

私立幼稚園は豊富な資源と最新の教育設備を持つ一方で公立幼稚園は予算制約や施設の老朽化に直面しています。この格差は、子どもたちが受ける教育の質にも影響を与えているという事は致し方がありません。

更に、幼児教育に携わる教育者の待遇も改善が必要と言えるでしょう。何故なら長時間労働や低賃金が長年問題となっており、これが教育者の離職率を高め、教育の質を低下させる一因となっています。教育者の専門性を高めるための研修や支援が求められます。

4.将来の展望
未来の幼児教育には、テクノロジーの導入が重要な役割を果たす事になる筈です。具体的には電子教材や教育アプリの積極的な活用によって個別化された学習が可能となり、子どもたちの興味や学習スタイルに応じた教育が確立・提供される事になります。

また、インクルーシブ教育の推進も重要なポイントと言えます。一例を挙げると、障害を持つ子どもや特別な教育ニーズを持つ子どもが、一般の幼稚園で適切な支援を受けながら学べる環境を整備することが求められる、と言ったものがあります。

これらを配備する事で、将来はより多くの子どもたちが公平な教育機会を享受する事が可能となるでしょう。

そして、一層のグローバル化が進行する中、国際理解教育の強化が必要であるのは明らかであり、こうした事に対応する為に異文化理解や国際的な協力を学ぶ機会を幼児期から提供することは肝要です。

このように、香港の幼児教育は豊かなバイリンガル環境と多様な教育アプローチを特色としていますが、同時に競争の激化や資源の不均衡と言った課題も抱えています。

これらを克服し、子どもたちにとって最適な教育環境を提供するためには、教育者の待遇改善やテクノロジーの導入、インクルーシブ教育の推進など、さまざまな取り組みが必要であると言えるでしょう。

故に今後一層、当地の未来を担う子どもたちのために、質の高い幼児教育の実現が期待されます。

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