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ドバイを知ることで、改めて香港の優位性を考える

更新日:2024年08月30日

香港とドバイは、それぞれアジアと中東におけるビジネスのハブとして知られており、現在、国際的な企業から国内中小企業等々...海外進出先として高い人気を誇っています。しかし、本当にご進出を検討される際は両都市の特性とリスクを理解することが重要であることは言うまでもありません。

以下では、香港とドバイへの進出に於けるメリットとデメリットを比較し、それぞれの都市が持つビジネス環境の違いについてご紹介します。


<香港への進出>

■メリット

1.金融の中心地:
香港は世界有数の金融センターであり、国際的な規模の金融機関や投資家にとって非常に重要な拠点となっています。当地は銀行や金融機関が集積しているため、資金調達や投資活動が容易であると言え、ここを起点に大きな展開を計る企業にとって大きなメリットとなります。

2.中国市場へのアクセス:
香港は中国本土との地理的、経済的な繋がりが強く、中国市場へのゲートウェイ(玄関口)として機能を担っています。特に「一国二制度」により、中国のビジネス環境に適応しつつも、法的な安定性と透明性が保たれています。

3.国際的な法制度と税制:
既にご存知の通り、香港の法制度は英国法に基づいている為、法の支配を市民は強く認識しており(中国のような"人治"国家とは正に対照的とも言えます)、この点はここに進出&事業活動する企業にとって信頼を強く寄せる一面と言えます。また、これに加えて法人税率は低く、付加価値税(VAT=消費税)が存在しないため、税制面でも競争力の高いものになっています。


■デメリット

1.政治的リスク:
既に何度も主題としてご案内しているように、香港は近年、中国本土との政治的緊張が高まっておりビジネス環境に影響及ぼす可能性があります。特に、自由や法の支配が制約される懸念が生まれているのは事実であり、この面は進出企業にとっては明白なリスクと言えるでしょう。

2.高コストのビジネス環境:
香港は世界で最も生活費が高い都市の一つであり、不動産価格や賃金が非常に高いため、企業にとって実態を伴う事業運営をする際のコストが大きな負担となることは否めません。

3.労働市場の制約:
現在、香港では人材不足が問題となっており、特に技術職や専門職を採用するのが難しい状況に陥っています。その為、人件費が高騰し企業の競争力が低下する側面が出て来る可能性を含んでいます。


<ドバイへの進出>

■メリット

1.中東・アフリカ市場への玄関口:
ドバイは中東やアフリカ市場へのアクセスにおいて戦略的に重要な位置にあります。
地理的な利点を生かし、地域内外の貿易や物流拠点として利用されているためビジネスの拡大が期待できます。

2.自由貿易地域(フリーゾーン)の存在:
ドバイには多くのフリーゾーンが点在しており、外資企業に対して法人税や輸入税の免除等の様々な優遇措置が施されています。これにより、企業は比較的低コストでの進出が可能であると言えます。

3.高度なインフラ:
ドバイには先進的なインフラが整備されており、交通、通信、物流等のする面で優れた環境を提供しています。これにより、企業は効率的なビジネスを運営する土壌が環境要素として存在しており、様々な仕掛けが出来る可能性が高まります。


■デメリット

1.市場規模と成熟度:
香港などと比較するとドバイの市場規模と言うものはまだまだ限られており、特に消費市場として成熟度が低い面は否めません。そのため当地に進出する企業は税制などのメリットをベースに土台を固め、地域外市場への戦略を展開して行く前提があります。

2.文化的・法的な制約:
ドバイはイスラム教を基盤とした社会であり、文化的、宗教的な規範に従う必要があります。
これにより、特定のビジネス活動や製品の取り扱いに制約が生じる可能性があるのは否めません。また法制度もシャリーア法に基づいており、ビジネス環境が予想しにくい側面があります。

3.労働力の安定性:
ドバイは基本的に外国人労働者に依存する社会構造になっている為、労働力の安定性が恒常的な課題として横たわっています。特に労働者の権利は待遇に関する批判は国際的に高まっており、これが企業のブランドイメージに負の影響を与える可能性を含んでいます。


結論:
香港とドバイは、それぞれ異なる特徴を持つビジネス拠点です。香港は中国市場へのアクセスや法的安定性が強みである一方、政治的リスクや高コストが課題であると言えます。他方、ドバイは中東アフリカ市場へのアクセスやフリーゾーンと言った利点があるものの、文化的・法的制約や市場規模の限界と言う面がデメリットとなっており、両者のどちらを選択するのかは、地理的&市場的な面と併せて、多くの要因を総合的に評価し、最も適したマーケットを選んで行くことが肝要であると言えるでしょう。

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