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実は多様な生態系を保有している香港の知られざる一面とは?

更新日:2024年10月16日

香港は、高度に発展したと国際都市でありながら、実は多様な生態系と豊かな自然環境保有する特異な地域でもあります。この都市の経済発展と自然環境の共存は、他のアジア地域と比較しても際立っており、特に動物との関係に於いては以下のような様々な面が存在します。

1.香港に於ける動物の生態系
香港の総面積の約40%は国立公園や自然保護区として保護されており、これらは都市部の喧騒とは対照的に豊かな植生と動物相を維持しています。特に当地には哺乳類、鳥類、爬虫類、両生類などの野生動物類が数多く生息しており、その多様性は他の都市圏では"中々見られない程"のものであると形容しても大袈裟ではありません(事例:香港には100種類以上の哺乳類と500種類以上の鳥類の生息地であり、その中には絶滅危惧種すら含まれています)。

実際のところ、香港の山岳地帯や湿地帯と言うのは、様々な地域を移動する野鳥にとって重要な"中継地"となっており、毎年数万羽の鶏がこれらの地域を訪れます。こうした現象は当地の気候と地形に大きく依存しており、都市開発が進むにつれてその保護が益々重要な課題となっています。

2.都市開発と動物の衝突
香港は経済発展に伴い、急速な都市化を推進して来ました。この都市化による人口増加とそれに適合する為のインフラ整備によって自然環境は一部が破壊される事になり、結果、野生動物の生息地が失われると言う事態を巻き起こしています。

特に、郊外の住宅開発や道路建設と言うのは、動物の移動経路を分断させるには充分な事態であり、孤立した生息地を生み出すことになっています。

このような環境下で最も顕著な事例の1つが、香港固有の「香港マカク(=香港猿)」の問題です。もともと香港の森林地帯に生息していた香港マカクは、都市開発によって生息地を失い、人間の居住地域に出没するようになりました。これにより観光客や市民とのトラブルが増加し、ゴミ漁りや攻撃的な行動が問題視されるようになっています。

一方、香港政府はこうした野生動物と人間の衝突を軽減する為に様々な対策を講じており、野生動物の撮影禁止、或いは住民に対して適切なゴミ処理の指導を行うなど、「共存」を図るための啓蒙活動は現在でも行われていますが、これらの対策はまだまだ不十分であり、有効な解決策を見つける必要が恒常的に続いています。


3.動物保護と法制度
香港には、動物の保護を目的とした幾つかの法律が存在しています。最も代表的なものは、「動物虐待防止条例」であり、これは人間が動物に対する不適切な扱いを禁じるとともに、虐待行為に対して罰則を設けていると言うものです。このように法律で人間の行動を抑制する面は評価出来る点ではあります。

しかし、一方ではその"不完全さ"を指摘する面も存在しているのは事実です。例えば香港漁農自然護理署(AFCD)は、絶滅危惧種の保護と野生動物の取引規制を監督していますがこの法律の実効性には疑念が度々出ており、香港自体が違法な野生動物や取引で東南アジアから中国本土へ密輸する際の"中継地"として利用される云々...と言ったものです。またペット産業における動物福祉の向上も課題の1つでペットの輸入や販売に関しても法律の抜け穴が色々と指摘されています。


4.動物と人間社会の共存
香港における動物と人間の関係は、「経済成長」と「自然環境」のバランスを一体どのように折り合いをつけるのか?と言う面で課題を抱えています。つまり、経済成長を進めるために起こる都市開発と動物の生息環境を調和させるには、単に保護区を設けるだけでは不十分であり、都市計画全体において改めてこの課題の本質全体を俯瞰し、熟慮することが必要だからです。

その為には市民の意識向上は不可欠であり環境教育や地域社会を巻き込んだ活動を通じて、動物との距離を縮め、相互理解を深めることが求められます。また、都市計画においては、グリーンインフラの整備や野生動物の移動を可能にするエコロジカルネットワークの構築も重要となるでしょう。

以上、総じて香港は都市と自然が共存することを目指した持続可能モデルを構築するポテンシャルを含んでいますが、課題が横たわっていることも事実です。しかしながら、今後の政策や取り組み次第で、より良い健全な動物と人間の関係を築いていく事は可能であり、その解決に向けた努力は地域のみならず世界全体の模範となる可能性を秘めています。

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